冬穏やか虚空蔵山南尾根
 
平成19年 1月27日(土)
【天候】晴れ時々曇り
【同行】別掲
南尾根Ca340mピーク付近から虚空蔵山


 前々から気になっていた虚空蔵山の南尾根。三田市相野から望むと、富士山型の虚空蔵
山の手前に、三角おにぎり形の前衛峰が徐々に標高を高くしながら幾つか並んでいる。北
尾根は近頃、ネットや口コミでメジャーになってきたけれど、まだまだ知られていない南
尾根。さてどんな山行きになるでしょう。

 冬の低山の陽だまりオフもなかなかおつなもの。なかでも北摂と丹波の境にある虚空蔵
山は珍しく全山雑木に囲まれた山で、陽だまりオフにぴったりの山である。それを今回は
南から攻めてみようということで、例によって8時に桃山台に集合、8時50分にJR相
野駅を経由しながら県道を北上、『陶の郷』に車をまずデポ。戻って舞鶴道の高架手前の
広場に車を置き、取付きの三本峠に向かう。来る途中、相野で寄ったコンビニからは虚空
蔵山へと次第に高まる南尾根が眺められ、登高意欲がそそられる。

 実は以前、今田の薬師の湯の帰りに取付きを探してみた事があるのだ。その時は見つか
らず、今回も取付きを見つけるのに少し骨折るかもと懸念していたけれど、何のことはな
い。全くの杞憂。県道を進んで清水寺方面との分岐近くに篠山市の水道施設らしい今田加
圧所があるが、その建物横に立派な道があるのだ。少々拍子抜け。(^^;

取付きの今田加圧所横にいい道がある

 最初はササ混じりの林道程も幅広の道だがすぐに山道になって、まもなく小さな裸地に
出る。県道を歩いていた時、PPヒモがぶら下がっていて最初に目に付いた踏み跡、但し、
サルトリイバラがはびこっていて諦めた踏み跡が右から合流してくる。滑りやすい傾斜を
登るとあっという間に東播線bT1の高圧鉄塔が立つCa310mのピークだ。ブッシュが
あるかもと、折角、持ってきた剪定ハサミも宝の持ち腐れだ。(笑)

 南尾根は篠山市今田町と三田市の市境尾根。赤プラ杭が所々にある。馬の背の様な岩場
からは南方向が見渡せる。真冬とはとても思えない陽気の所為で霞がかかって遠望は効か
ぬけれど気持ちがいい。眼下を走る舞鶴道の車の音が少々気になるけれど...。(笑)

 東播線bT0の高圧鉄塔があるCa340mピークからは激下り。鞍部には『中山家所有
山林』の表示がある。その先の東播線bS9の鉄塔からは高圧線が分岐し、西側が丹南線、
東側が東播線。どちらを選択するか迷うが、丹南線を辿るにはここから少し下らねばなら
ず、高度を下げたくない意識が働いてここは東播線の巡視道を選択。最終的には結局どち
らを採っても良かったことが判る。

 鉄塔からしばらく歩いた鞍部には広い道が上がってきている。地形図にある東庄から上
がってきている道の先端と思われ、別荘分譲地の取付け道路なのかもしれず、今は丹南線
bTの巡視路も兼ねた道らしい。
ハイウェイ並みの関電巡視路が延びる

 次のピーク、Ca430mピークへは結構きつい登り。途中に東播線bS8の鉄塔があり、
巡視路はそのままCa430mへ登っていく。振り返れば歩いてきた尾根が一望で気分が良
い。山頂には巡視路のT字を示し、ここは右へ。

Ca430mピーク付近から南方向。歩いて
きたCa340mピークや分岐鉄塔が見える

 巡視路お馴染みの黒いプラ階段が現れた。東播線bS7の分岐はまたT字路になってい
て、今度は左。一気に登るとCa450mピークで、今回一番の厳しい下りはジグザグ道。
どんどん下って丹南線bWの分岐を過ごすと顕著な峠に出会う。ここは古くから歩かれて
いたような雰囲気がある。地形図を見ると虚空蔵堂の表参道の谷を詰めるとこの峠に出る
ようで、西の立杭や東庄から、藍本を通る街道までの近道だったのだろうか。

 最後の前衛峰のもう一つのCa450mピークに立つと、ようやく目の前にどっかりと虚
空蔵山。目を凝らすと山頂付近の丹波岩も認められる。

 丹南線bXの整然とした道を分けると、『陶の郷』のメジャーコースの峠はすぐで、オ
フィシャルの立派な案内標識が立っている。ここからは遊歩道。虚空蔵堂へ向かう道を右
に見て、虚空蔵山への標高差約150mの登りである。藍本コースと合流すると他の登山
者もチラホラ見かけるようになる。

 相変わらず丹波岩からの展望は素晴らしく、北を除く方向が全て見渡せる。武庫川が蛇
行し、本来なら六甲山や瀬戸内海方面まで望めるのだが今日は無理。それでも千丈寺山、
有馬富士、大船山、昼ヶ岳など北摂北部の山々が霞んでいる。西には清水寺のある御嶽山
が指呼である。丹波岩を後にして山頂に向かえば、珍しく山頂に人が少なかったらしい。
一つあるテーブルには先着の面々がもうバーナーを取り出していた。山頂の寒暖計は6℃。
暖かい。

 食事していると、ハイカーがちらほら上がってくる。目立つ所に黄色い印。団体さんか
なと思っていたら、50人は下らない人数が後から後から続々と上がってきては10分も
山頂にいないで下山していく。これぞ完璧なるピストン。神鉄主催のハイキングだったら
しいが、他の山にも回るからだろうかなんと慌しい事よ。これじゃあんまり面白くないと
思うがなぁ...。(^^;

 さて、下りは『陶の郷』方面へ。戻ってさっきの峠からメジャーコースを降りてもいい
のだが、以前、北尾根を歩いた時に、2つほど『陶の郷』への分岐を見た覚えがある。そ
の最初の分岐から降りることにする。数年前に比べれば、この北尾根コースもメジャーに
なったもの。「御堂筋。いや、アメリカのフリーウェイ並みだ」の軽口も出る。埋まった
岩の上を越えて、疎林の尾根を徐々に降りて行くと、まもなく立杭焼の陶板で出来た案内
標識が立つ『陶の郷』の分岐に出る。標識には山頂から150mとある。

虚空蔵山北尾根の最初の『陶の郷』分岐

『陶の郷』への道もいい雑木林だ

 こちらも丹南線の高圧線の巡視路らしく立派な道である。だが、丹南線bP2の台地を
右に見るまでは順調だったものの、そこから左に折れると、その後はなかなか下りになら
ない。(^^; ほぼ水平な道が山の形に沿って南へ続いていく。子供の頭大の石ころだらけ
に部分や路肩が緩い部分もあって、巡視路と比べれば少し山道らしくなったかな?(笑)
でもまた山頂直下に戻って、結局、メジャールートに合流するんじゃ、面白みが無いねと
話していると、山頂への分岐が現れた。これは往路で通った覚えの無い分岐だ。山頂のテ
ーブルの南側斜面にテープのついた踏み跡が立杭方面に下っていくのがあったから、それ
と繋がっているのかも知れない。

上山の麓に広がるのどかな立杭の里が見える

 ところで、道は高圧鉄塔を左上に見た後は、再び順調に下り始める。今度は結構、急斜
面。疎林を通して『陶の郷』の建物の黒い屋根が見えてくる。西に聳える和田寺山や反射
板のある上山の柔らかい尾根も印象的で、立杭の川沿いに発達した隠れ座敷のような趣が
良く分かる。更に降りて行けば駐車場のデポした車も見えてくる。傾斜が緩めば笹の中に
東屋が現れ、左に折れるとログバウス風の建物が二棟。シャワー室もトイレ棟もある。キ
ャンプ場の敷地に入ったらしく、さっきの東屋も遊歩道の休憩所らしい。舗装路に出れば、
すぐに『陶の郷』のメジャールートと出合って、車道に出た所は『崑の村』の看板の前で
車は目の前である。
『陶の郷』のメジャーコース横に出てきた

 大村崑は関西を代表する往年の喜劇俳優。『頓馬天狗』や『番頭と丁稚どん』は子供の
頃よく見たものだ」。その彼が立杭に古い民家を買ったという話は知っていたものの、そ
れがここにあるとは知らなかった。車を置いた場所も『崑の村』の駐車場だったらしい。
休館日だったので無断駐車になってしまいました。申し訳ありません。

 車道下に見える農家が『昆の村』。昔懐かしいホーロー引きの看板が一杯、塀に架かっ
ている。あのオロナインやサラリンの宣伝用のだ。時間があるので寄ろうと思ったけれど、
残念な事に今日は閉館とのこと。また機会を見て寄ってみることにしよう。

 歩けば3時間近くかかった三本峠から虚空蔵山の道のりも、車ならほんの10分足らず。
あっという間に三本峠。近くの地元の酒造会社が新酒祭りをやっているとDMが来ていた
っけ。寄り道して買いにいく。

 オフも無事終了。この後、青垣へセツブンソウを見に行った皆さんからはもう咲いてい
たという報告。冬とも思えないポカポカした一日、明日は例の所へ行ってみるかぁ。それ
にしても、こんないいコース、みんなに教えてもいいのかなぁ。(^_-)


■同行 Oさん、呉春さん、二輪草さん夫妻、水谷さん、もぐさん(五十音順)

【タイムチャート】
8:00桃山台駅西ロータリー(集合地)
8:35〜8:45JR相野駅(第二集合地)
9:10〜9:15三本峠東(駐車地)
9:26〜9:29Ca310mピーク(高圧鉄塔(東播線bT1))
9:40〜9:42Ca340mピーク(高圧鉄塔(東播線bT0))
9:50〜9:55高圧線が分岐する鉄塔(東播線bS9)
9:57東庄分岐
10:10〜10:12高圧鉄塔(東播線bS8)
10:16Ca430mピーク(巡視路のT字分岐)
10:24T字路(高圧鉄塔(東播線bS7)分岐)
10:25〜10:30Ca450mピーク
10:37〜10:38十字路のある鞍部
10:52『陶の郷』コース出合い
11:05『藍本』コース出合い
11:17〜11:55虚空蔵山(592m)
12:02虚蔵蔵山北尾根『陶の郷』分岐
12:06高圧鉄塔(丹南線bP2)
12:16虚空蔵山山頂コース出合い
12:49〜12:53『陶の郷』コース出合い
12:54『陶の郷』コース登山口
12:55車デポ地



虚空蔵山のデータ
【所在地】兵庫県三田市・篠山市(今田町)
【標高】592m
【備考】
兵庫県三田市の北、篠山市今田町との境、舞鶴道の藍本ト
ンネルの西側に位置し、鉄道駅(藍本駅)からも近い為、
人気の山です。西側の山麓は立杭焼の里で、東の藍本の両
方向からメジャーなコースがありますが、最近、北尾根を
縦走し、草野駅へ下りるコースを歩く人が多くなりました。
近くに今田薬師の湯があり、山とセットが可能です。
【参考】
2.5万図『藍本』


   トップページに戻る


inserted by FC2 system