久方ぶりに烏ヶ岳
 
平成19年 2月11日(日)
【天候】曇り時々晴れ
【同行】別掲
七々松下池付近から烏ヶ岳


 昨日は丹波渓谷の森公園のロッジ二棟を借り切ってのOさんの歓送会。ボタン鍋を堪能
して、一晩泊まった朝は近くの高岳に登ろうという趣向だったのだが、起きてみるとなん
と雪が積もっているではないか。でもサラサラ雪ならいいのだけれど、これがベトベト雪
で、出発地点の奥猪名健康の郷まで下ってくると、霙から雨に変わる。なかいさんも、ス
ナフキンさんも遠路駆けつけてきたのだが、これじゃあどうしようもない。しばらく様子
を見るも、次々と雨雲が北からやって来るし、濡れザサを漕ぐ勇気もない。(^^; で、南
へ転進となる。ところが、ほんの数km南下するだけで、青空が広がるのだから驚く。やは
り能勢は裏日本の気候なのだった。

 さて、転進先。当初は北山植物園と甲山への予定が、生来の浮気癖。それへ向かう途中、
この辺にしようかと決めたのが北摂の大峰山。生憎、Oさんは風邪気味で自重するという
のでここでお別れし、残ったメンバーは7人。ゴルフ場の取付け道路に入って登山口へ。

 来る度に道が太くなっているのにビックリである。ほんの40分で登って、三角点の横
で、なかいさんのボッカしたぜんざいを食す。玄米餅入りである。帰途は道を変え、鉄塔
(新神戸線bW)の台地からなだらかな検見山を見ながら北へ急降下。植林帯をジグザグ
に下れば谷に出て、そのまま道なりに行くと地道の林道に出る。南に向かえばやがて車道
に合流して、大峰山登山口はすぐそこである。

 まだまだ時間は早い。もう一山。ならば程近い三田の烏ヶ岳。早速、大峰山から移動す
る。ところが、烏ヶ岳の麓にあるナナマツの森近くの『つくしの里』の駐車場を利用する
積りが、「御用でない方の駐車ご遠慮」表示に幻滅。それならと森のあずまやに移動しよ
うとした時である。にわかに灰色雲が北から流れてきて小雨を降らす。これは避難しない
と。遠くにはためく幟が蕎麦屋のものだと分かり、ここは屋内にしくはなしと昼食を兼ね
た雨宿り。流行の古い農家を改造した造り。ナゴヤコーチンの焼鳥も出すので、少々、煙
たいのが璧に瑕ではあるけれど、蕎麦は結構美味であった。

高平ナナマツの森案内図

 烏ヶ岳へは何年ぶりだろうか。『高平ナナマツの森』が整備されて間もなく、三女がま
だベビーカーに乗っていた頃だから8年余りも前だ。何の用意も無くカメラ片手にスニー
カー姿で空身で登った覚えがある。人口の流入が激しい三田市でも、この辺りまで来ると
まだ農村の雰囲気が濃厚で、記憶はだいぶ薄れたけれど、初めて訪れた当時とそれほど変
わらない風情がまだ残っているようだ。その時は昭和池から金毘羅道を採り、峠経由でピ
ストンしたのだが、今回は『見晴らしの道』と名づけられた尾根道である。炭焼窯やあず
まやのある駐車地から池横の林道の車止めチェーンを跨いで歩いて行く。池の土手にいる
綺麗な大きな鳥はカケス。スナフキンさんによるとカラスの仲間だそうだ。そういえば歩
く姿はヨチヨチとカラスと同じ歩き方である。

 つり橋を形どった橋を渡り、道標に従って左に折れて、モリアオガエルなどが棲むとい
う七々松新池を左に見て山に取り付く。マツタケ山につき立入禁止の札がそこここにかか
る。10分も登れば見晴らしのベンチだ。大船山やその前衛の反射板のある山が良く見え
始める。さっきまでの黒い雲は何処へやら。青空から注ぐ早春を思わせる陽光は暖かい。

烏ヶ岳への尾根道はいい里道だ

役行者が祀られていたらしい祠のある行者山

 しばらくアルバイトすれば明るくてカソコソと落ち葉を踏むいい尾根道で、周囲はリョ
ウブ、ソヨゴ、コナラ、ヒサカキの目立つ典型的な二次林である。やがて道は山腹の北面
を絡みだし、ジグザグに高度を上げていく。傾斜が緩めば案内図が設置された展望台に出
る。行者山と呼ばれる辺りで、今は空っぽだが、名称からおそらく役行者を祀っていたの
であろう壊れた祠が岩の間にある。前方にはピラミダルな烏ヶ岳の姿。その烏ヶ岳へはも
う一頑張りだ。峠への分岐を越え、小さな鞍部から登り返す。6畳くらいの狭い山頂には
三等三角点とベンチ。疎林の間から千丈寺湖の水面が輝いているのが見える。やや強い風
が出てきて、汗ばんだ体が冷えて寒い。昼は十割蕎麦だけなので腹が減ってきた。朝、O
さん夫妻からもらったイチゴ大福をおやつにコーヒーで暖をとる。

狭い烏ヶ岳には三等三角点

 下山は行者山から峠へ階段の劇下り。きついだけにあっという間に峠に着く。ここから
は谷沿いの金毘羅道の遊歩道。アベマキやコナラが多く分厚い落ち葉。でもその下は浮き
石もあるので歩きにくい。炭焼窯跡を横目に先を急げば昭和池のある『水辺広場』に出て、
道標に従って往路の吊橋風の木橋に合流する。途中、道端にシュンランの株があった。も
ういくつか蕾を大きくし、今年の早い春の訪れを暗示している。

 結局、ナナマツの森を歩いていたのは我々だけらしく誰にも会わない。他の車も無く静
かな里山歩き。振り返れば烏ヶ岳が「また来いよ」と呼んでいるよう。いつまでもこのま
まで楽しませてもらいたいものである。


■幸さん、スナフキンさん、たらちゃん、なかいさん、ハム太郎さん、水谷さん

【タイムチャート】
12:55烏ヶ岳ナナマツの森登山口
13:20〜13:21ベンチのある展望所
13:46行者山(Ca500m)
13:52〜14:15烏ヶ岳(528.3m 三等三角点)
14:30北の鞍部
15:00烏ヶ岳ナナマツの森登山口



烏ヶ岳のデータ
【所在地】兵庫県三田市
【標高】528.3m (三等三角点)
【備考】
羽束川が作った狭い野を挟んで、大舟山の西に相対する
里山で、地形図上は無名峰です。三田市が整備した麓の
「高平ナナマツの森」は、昔はどこでも見られた里山の
風景が良く保存されています。四季を通じてファミリー
ハイクには最適でしょう。最寄はJR三田駅から籠坊行
の神姫バスで上槻瀬公民館前です。

過去のログは
『陽気に誘われ心和む里山徘徊〜烏ヶ岳』です。
【参考】
2.5万図『木津』


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