ついに決心、ポリープ摘出
 
平成17年12月26日(月)
天候:晴れ時々曇り



 「ポリープが二つありますね。どうしますか?小さいので経過観察にしますか?そうで
すか。では1年後にまた検査に来てください。」

 去年の注腸検査の結果での医師の言葉。気にはしながらも会社を休まねばならないとい
う邪魔臭さにかまけて、なんだかんだと限られた日にちを越えて時間だけが経過していく。
しかし、こういう時、思考はだんだん悪い方にいくものだ。TVを見ていても歩いていて
も、その方面の話題が目に付くようになり、ひょっとしたら大きくなっているかも、ひょ
っとしたら悪性かも。そうしてそれを俺に限ってと否定してみたり。

 そんなもやもやを払拭しようと、漸く意を決するまでには、前回検査から半年が過ぎて
いた。S病院に予約を取りにいく。
「また、バリウムを....。」おずおずと小生。
「二つあることが分かってるんでしょ。だったら取りましょう。結果、内視鏡となったら、
結局、二重手間でしょ。最短はと...。12月の26日でいいですね。後で、看護士か
ら説明がありますから。」
「.....。」
医師はこともなげに1ヶ月半後の日程を決めた。

 場所を移して若い女性看護士の説明。大腸ポリペクトミー。何だか大手術みたいだけれ
ど、所謂、内視鏡切除。
「一応、日帰り入院となります。前日は消化のいいものを午後9時までに摂ってくださっ
て結構です。当日、9時に来院して2時間かけて2Lの下剤を飲んでもらいます。」
「え?えぇー?に、にぃリットルーう〜?一升瓶以上やないの?」
「ええ、皆さん飲んでいただきますから」
最後に止めのきつ〜い一発。
「術後、2週間はお酒を控えて下さい」
「げっ?そんなぁ殺生なぁ....。週明けは正月でっせ。」
「切除部位から出血したら困りますから」
なんで26日っていうたのやろ?せめて年明けにして下さいと何故言えなかったと思って
も、もう後の祭りなのであった。(^^;

 まだやまだやと思っている内についに当日がやってきた。9時きっかり。診察券を忘れ
たのはやっぱり動揺してたのか?再発行してもらって日帰り入院の窓口へ。にこやかに若
い女性看護士の簡単な説明があって、奥の部屋へ迎え入れられる。薄いブルーのカーテン
で仕切られた1畳半ほどのスペースにロッカーとレザーのマッサージ椅子に似た椅子。服
を脱ぎ、例の尻に穴の開いた紙パンツをはき、ガウンに着替える。するとさっきの若い女
性看護士が優しく血圧を測ってくれる。おおっ!上が140もある。内視鏡手術を前にし
て緊張しているのだ。決して、決して、若い看護士に腕をとられて興奮しているのではな
いのだから。誤、誤解なきように...。

 「あっ?」
テーブルの上にデーンと透明プラスチックの容器。これか下剤というのは。試しにコップ
に注いでぐぐっっとあおる。
「あん?」
思ったよりいけるではないの。味はポカリスエットのよう。これならいけそう。
「そうや。2リットルと思うからあかんのや。コンビニで売ってる普通のペットボトルの
お茶を半時間で1本ずつ4本飲むと思えばええねん」
と割り切ると気楽になった。後は椅子に安静にしているだけ。本を読んだりラジオを聴い
たり。そうして1時間も経過した頃だろうか?来ました来ました、トイレサイン。以後、
15分毎くらいに5回だったか6回だったか。尾籠な話、最後は薄い色つき水。いい加減、
尻が痛くなってきた。

 下剤を飲み干して1時間ほど経過した頃、くだんの看護士さんに調子を聞かれる。
「いいですよ〜。は〜い、ちょっと痛いですよ〜。」
といわれながら注射を打たれる。なんでも腸の動きを止めるんだとか。(いいのよ。いい
のよ。あなたになら。少々痛くされても。なーんて)(^^; 

 ついで内視鏡室へ案内される。さぁ始まるぞ。か弱き小鳥の如く、緊張に震えながら、
また、まな板の鯉の如く、部屋の前の長椅子に座っていた時である。ふと横を見ると、あ
らっ、職場で一寸見知った顔。
「あなたも。」
「ええ、ちょっと...」
戦友だぁ。と、その時、
「○○さ〜ん。どうぞ」

 部屋に入る。ベッドに左側を下にして横向きになれという。ちょうど横目の所にモニタ
ー画像だ。これが内視鏡の機械かと眺めている内に、プラスチックゴム製の手袋をはめた
医者が入ってきた。結構若い。大丈夫かいな。

 そんなこちらの思惑も知らでか、医者はおもむろに局部に何かを塗りつける。麻酔だそ
うである。
「あへー。あら、いやだ」
と恍惚になりかけた途端、
「それでは、開始します」
というやいなやグイッっと物を....。
「うっ。あっ!」
というほどでもなかった。意外や楽。つらい、引きつるように痛いといわれるS字結腸も
無事通過。その間に目じりは医者の動きを捉える。医者はロープを繰り出す感じでチュー
ブを挿入していく。あまりきついこともなく最奥まで到達したのであった。でもつらかっ
たのはこれから。ポリープが見つかって切除の時だったろうか。思い切り張る感じがつら
いのだ。空気を注入されるのだが、なにせ蠕動運動を押さえられているものだから、なに
か鉛をどんどん詰め込まれているようで、なにせ猛烈に重い感じなのだ。これが腸間膜の
引きつれなのかもしれない。
「これがポリープです」
モニター見てもピンクの中にやや白っぽいものが見えたきり。
「はよ、取ってくれ〜ぃ」
もそもそした後、パチンと何かが弾けるような音。焼き切る為、電流が流れたのであろ。
最後に、結腸、直腸、肛門の裏を調べて終了。無事2個のポリープを切除したのであった。
手術時間は40分くらいだったように思う。長いような短いような。しかし、その後が更
につらかったのである。入れられた空気。腹が張っても前述のように蠕動運動が抑えられ
ているから、脳から指令が出ても、対応できないのだ。それにうら若き看護士さんが傍に
いる間に出たらどうしよう。(音もするやろなぁ)気が気でない。

 麻酔が徐々に切れてきたらしい。待機の部屋に戻って30分くらいだろうか。ぐるぐる
腸が動く雰囲気。「あらっ」と思う間もなく。
「.....」
「あああああ.....」
そうして立て続けに。いわゆる"Break Wind"。
「ああ、すっきりした」
看護士さん居なくて良かった。
「ふー」

 感想。これなら、バリウムより楽。前日も夕食が摂れるもの。そしてホテルみたいな感
じのスペースで、若い女性看護士がかしづいてくれるのが何より。最後は完全に中年オヤ
ジと化して病院を後にしたのでした。("化さい"でも中年オヤジです)

追伸: 幸い、切除したポリープの生検の結果も良性。これですっきり。ああ、良かった。
内緒だけど、酒は正月には少し飲んでいた。(^_-) 勿論、お通じを調べながらであったが。



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