大坂山から最高峰〜みたび数曽寺へ
 
平成18年12月23日(土)
【天候】晴れ
【同行】別掲
大坂山から端正な数曽寺最高峰を望む


 二週前に訪れた数曽寺山塊。いい天気の予想にほだされてまたまたやってきました。こ
れでここ1ヶ月で都合3回目。『あんたも好きねえ〜』の声が何処からか聞こえてきそう
ですが、それだけ面白いゲレンデです。

 今日も低山好き5名が集まって例によって7時に集合して出発。渋滞もなく滝野社IC。
途中コンビニに寄ったりしても、1時間と少しでいつものベース基地?山口地区の公民館
前だ。このフットワークの良さがこの山域の魅力の一つでもある。しかも静かときてはい
う事なし。(^^)/

 今回は数曽寺谷の東の壁を形作る尾根を辿ってまず大坂山へ向かう。前回のbP67鉄
塔のすぐ西の尾根にあたり、そのbP67鉄塔から見た姿が非常に魅力的だった事から選
択。それからこの山域をうろうろするならやっぱり最高峰へ行かなければということで、
大坂山の東に位置する数曽寺最高峰459mをクリアし、後は適当に降り易い尾根筋で馬
瀬集落へ下山しようという算段。さて、いかなることになるでありましょうか?

数曽寺池付近から。今日登るbP67鉄塔の
荒々しい尾根が見えている

 風もなく暖かい。数曽寺山塊の前衛の峰を逆さまに静かに映す数曽寺池には、カモの仲
間が群れて浮かんでいる。突然の人声に慌てて飛び立っていく。その奥に今日登るbP6
6の鉄塔がおいでおいでをしている。数曽寺谷を北上する道も相変わらず静かで、やや湿
った木の葉が散り敷かれている。

 前回の鉄塔bP67への巡視道を過ごしてすぐにbP66の巡視道がある。痩せたササ
と松の倒木が多いが、今日は前回と違って直ぐに尾根への取り付きになる。最初に息が上
がるのはいつものことだが、それにしても結構な急登だ。(笑) が、そのお蔭で一気に視
界が広まり、左手には四等三角点『上三草』のある尾根筋の全貌が姿を現し、背後の数曽
寺池の水面が青い。そうして思った通り直ぐに岩稜だ。丈の低い赤松やネズ、ミツバツツ
ジなどが点々。しかも曲がりくねって、さながら日本庭園の赴きである。

まるで日本庭園の趣だ。背後は数曽寺谷

 思ったよりも案外早く、bP66鉄塔に着く。小休止。ミニアンパンを一つと水分補給。
この前はタオル不用だったのに今日は額の汗を拭う。ここも素晴らしい弁当ポイント。で
も視界は靄って瀬戸内海はおろか手前の雄岡山、雌岡山も見えず、社の街並みにゴルフ場
や三草山の山並みがわだかまるのみだ。

 想像以上にいい感じ。bP67鉄塔巡視路の合流点となるCa400mピークまでは岩の
細尾根となり、ここにも関電の設置した錆びた鎖がある。東側が切れ落ちた崖状の部分に
は鎖の防護柵まで設置してある。先日歩いた東の尾根からは点々と白いものが見えていた
が、やはり思ったとおり、関電の『火の用心』マークの赤色が完全に薄れたものであった。

Ca400m峰の向こうに大坂山

鎖の柵が設置された痩せ尾根

 Ca400mピークからは前回辿ったヤブっぽい薄い踏み跡。一旦下って鞍部から登り返
すと三度目の大坂山山頂である。ほんの一ヶ月の短期間にこれだけ登った山も珍しい。(^^;

 10時と昼食にはまだ早い。東には惚れ惚れするほど端整な最高峰。一本とってその最
高峰に向かって出発。東に延びる踏み跡を辿る。ここは西脇市と加東市社町との町界尾根
で、それを示す界標があって切り開きもあって、わりに歩き易い。所々、枝を払った形跡
も残る。踏み跡は大坂山から「あれあれ」と思う間もなくどんどん下る。約80mの高度
差だ。前方に見える最高峰が逆にどんどん高くなる。最低鞍部は仏谷の源頭に当たり、ゴ
ミが散乱していると聞いていたけれど今はその形跡もない。南北に薄い踏み跡らしいもの
があるがほとんど廃道だ。それよりも登り返してCa420m峰に向かう踏み跡の方が明ら
かだ。そのCa420m峰からは標高点306mに向かう明瞭な尾根が南に延びていて、途
中にある高圧鉄塔まで行けばいい道があるだろう。いずれ辿りたい尾根だ。うーん。次々
に歩きたくなる尾根が現れるからきりがないねえ。(笑)

初めは快適だった最高峰への道だったが...

 進むに従って踏み跡は徐々に薄くなる。ほとんど平坦になった後、少し登った先に『最
高峰』と書かれた小さなプレートを2枚ほど見つける。低木が茂った中の直径3m位の円
形の場所である。少しあっけない。やまあそ氏のHPに「誤った場所に最高峰の印がある」
とあったのと、GPSもまだ40mほど先を示していたものだから、本峰はもう少し先で
はと思ったのだけれど、周囲にここより高い場所は見当たらず、やはりここが最高峰なの
だと納得する。が、展望は思うに任せず、唯一北方向が開けていて、ゴールデンバレーゴ
ルフ場のグリーンと三角形をした溜め池が眺められるのみである。ここで食事もよかった
けれど一寸狭いし、まだ時間も少し早いので、もっと見晴らしの良い弁当ポイントを探そ
うと先へ進むことにする。

 最高峰の頂から今度は南へ下る。ここまでは枝が張り出したりして歩き難くはあったも
のの、まだ何とか腰を曲げずに歩けたのだけれども、最高峰から先はツゲやウバメガシの
張り出した枝が邪魔をすることが多くなって腰をかがめねばとても通れない箇所が大半に
なってくる。半分ケモノ道だな、これは。それでもたまに古いテープがあるので、誰か物
好きが歩いているみたい。(笑) そうかと思うと突然良くなったりするから不思議。そん
な中にもやや木立が薄くなった平坦地があったので、ここらで食事でもということに。し
かしそこから10m位下ると、見晴らし抜群の斜面があった。日当たりもいい。全く高い
木は無いので南側が一望。R372を行くトラックも見えれば、馬瀬の民家、三草山山塊。
背後には、今歩いてきた大坂山から最高峰に続く尾根筋だ。

 さて、そろそろ下山路を決めねばならない。今居る場所から直下を望めば、南に延びる
明快な鉄塔尾根があり、赤白鉄塔から鉄塔の数を数えるとbP70鉄塔らしい。というこ
とはその先には三角点もあるはず。というわけで馬瀬にはこれを利用して降りることに衆
議一決。そうと決まれば早速食事だ。11:20。
弁当ポイントから。眼下に見える
bP70鉄塔の尾根で下山に決定

 腹も膨れたし、12:00出発。かなりの急斜面。ほとんどけものみちだが、Ca340
mを目標に進めばよい。シダっぽい鞍部には意外にも西側の谷へ下りる薄い踏み跡があり、
木の梢に『馬瀬』と書かれた小さな標識が取り付けてある。最高峰に向かう点線路に繋が
るのだろうか。東側がガレたCa420m峰を登ると鉄塔まではもう目と鼻の先で、ほとん
ど傾斜はなく、木々を掻き分けて行けば播磨線bP70の直下に到着である。ここも展望
抜群の台地で、歩いてきた尾根筋が一目で見渡せる。サルトリイバラの大きなのがあって
赤い実がたわわに実っているのが印象的である。

 思ったとおり尾根筋には関電の立派な道がついている。先程までとは好対照だ。その道
の途中、鉄塔からおよそ50m南に保護石も完璧に残った綺麗な四等三角点『馬瀬』が見
つかる。意外なのはここにも赤い大柿プレートがあったこと。裏に馬瀬の公民館から来た
とあった。

 関電道は三角点の辺りから急降下し、例の黒いプラ階段が現れる。どんどん下れば23
4m標高点峰との鞍部で関電巡視路がT字路を呈している。これをどちらかに下れば楽だ
けれど、あくまで尾根を辿ろうとする我々は、当然234m峰に向かうことになる。まあ
30mも登り返せば山頂で、小枝がうるさいが細い踏み跡もある。錆びて古くなったテレ
ビ用らしき共同アンテナが転がっている。

 234m峰から南西に尾根を進むと、突然真新しい切開きに出た。黄色いプラ杭が設置
してある所を見ると、境界をあらためて確定する為らしい。中央に新しく赤い布切れをつ
けた10m位の竹竿が立ててあったが、これは麓からも良く目立った。

境界杭設置用らしい切開きを下る

 竹竿から更にCa200m峰へ向かって進んだが、切開きは藪に消え、所々にあるけもの
みちは、人間には少なからず厳しいものがあったから、少し引き返して麓に向かって直滑
降している切開きを素直に下る事にする。切られた木株が鋭く、躓くと危ないが、そのお
蔭であっという間に下界。降りた場所は栗園。イガに入ったままの栗が落ちているがほと
んど虫食いで、そうでなくとも中は干からびていた。なんで知ってるの?その心は持って
帰って湯掻いてみたから。(^^;

 栗園を出て畦道を通ってR372に出て三草川に架かる橋を渡る。R379は輸送トラ
ックも多いので危なくて仕方がない。なるべく旧道を歩くようにして馬瀬の集落を抜ける。
更に、旧道が国道と合流する辺りで、仏谷の方から駐車地へ戻ろうじゃないかということ
になり、三草川の流れとは逆に北へ向かうことにした。すると、仏谷が三草川と合流する
地点にはちゃんとテープがあって、少し先の渡渉可能地点にもテープ。きっと仏谷遡行コ
ースだろう。「うーん。好き者は他にもいるようで...。」(^^;

 やや荒れているものの、仏谷にも数曽寺谷と同じような小道が涸れ沢沿いに続いている。
50mも遡れば、西側から小さな沢が合流していて、何となく踏み跡らしきものを目にす
ることが出来る。奥に行くに従って小道はしっかりしたものとなり、自然石で造ったミニ
砂防堤というか段差も設置してある。小さな峠を越えると踏み跡はやや不鮮明となるが水
が見え隠れする小川沿いに下ればよい。左前方に地形図にもある溜め池が見えてきて、右
手には「1003:004」と書かれた木札が目に入る。どうも売れずに残った別荘地の
地番か何からしい。池沿いに南に進んでいくと物置小屋が出てきて、落ち葉に覆われたコ
ンクリ道が現れ、少し登ると祠の前に飛び出した。祠の石の扉を開けてみると木のお札が
置かれてあったが、愛宕山か秋葉山のお札らしかった。
別荘地の中にあった祠

 祠の横は別荘地の周回道路。ぽくぽく降りていくとそれは山口の公民館の前につながる
道となり、駐車地の前にドンピシャ到着したのでありました。

 三度目の数曽寺山塊。岩あり、藪あり、展望あり。今日も良く遊ばせていただいた。で
もやっぱり手や腕は小さな傷だらけ。ザックのポケットは落ち葉だらけ。首筋には枯葉が
紛れ込んでちくちくするのだった。しばし子供に還ったミニアドベンチャー。同行の皆さ
ん、本日も有難うございました。宝暦年間創業という社町の地酒を買って大阪へ戻る。



■同行 北山さん、幸さん、水谷さん、もぐさん(五十音順)

【タイムチャート】
7:00桃山台駅西ロータリー
8:15〜8:25山口地区公民館北(駐車地)
8:53関電巡視道(播磨線bP66)
9:17〜9:25鉄塔(播磨線bP66)
9:45〜9:50Ca400m峰
10:06〜10:16大坂山(450.0m 三等三角点)
10:30大坂山・最高峰間のコル
10:55〜11:00数曽寺最高峰(459m)
11:20〜12:00Ca390m峰南(昼食)
12:22〜12:27鉄塔(播磨線bP70)
12:29〜12:31点名『馬瀬』(299.0m 四等三角点)
12:40関電巡視路T字路
12:44234m標高点峰
13:14馬瀬集落付近の栗林
13:55仏谷取付き
14:03
14:20別荘地内の祠
14:30山口地区公民館北(駐車地)

bP70鉄塔台地から数曽寺山塊を眺める

■数曽寺山塊GPS軌跡 (罫線は10秒=約300m 国土地理院2.5万地形図閲覧
 サービス、フリーソフト『カシミール』を利用しました)  先頭へ


数曽寺最高峰のデータ
【所在地】兵庫県西脇市・加東市社町
【標高】459m
【備考】 数曽寺山塊の大坂山の東にあるこの付近の最高峰です。
大坂山から尾根続きで、ややヤブっぽく展望はないです
が、愉しい稜線漫歩が楽しめます。尾根の南麓を送電線
が通っていますので其処まで行けば関電巡視路の快適道
です。
【参考】
2.5万図『比延』



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