貴公子花紀行〜念願の
           サイゴクサバノオに逢う

平成18年 4月23日(土)
【天候】うす曇
【同行】別掲
念願のサイゴクサバノオの花


 低徘の東海支部?からさるぼぼさんがサイゴクサバノオを見たいと金剛山に遠征してく
るのを受けて、のりかさんが歓迎オフをこの土曜に開催するという。サイゴクサバノオは
トウゴクサバノオ、サンインシロカネソウと見たことのある小生にとっても、未体験花の
一つ。ここ数年、開花の時期に会いに行くのだが、微妙にずれて花姿を逸してきた花であ
る。早速DMを送って参加表明だ。お蔭で念願の花にも出会え、美味しい酒も聞こし召せ
て、いい時間を過ごさせてもらったのでした。

 少し早めだながら7:20家を出て、もぐさんをピックアップして金剛山へ向かう。雨
の降り出しは夕方の予報だったから、朝はもう少し青空もあるかと予想していたけれど、
全くの曇り空。ただ、高曇りのようで、六甲山も金剛山もすっきりと全く雲がかかってお
らず、雨が早まったとしても昼過ぎまでは大丈夫であろう。順調に進んで途中のコンビニ
で買い物をしても、8:40には千早登山口に到着。何時ものように、茶店『福助』の駐
車場に車を止める。店のおばあさんも元気なようだ。

 集合時間は9:20で、まだ時間はたっぷりある。が、あちこちに花が咲き始めている
ので、新しい一眼デジを持ったもぐさんには暇な思いはないらしい。(笑) 直ぐ側の石垣
にはキケマンが見頃である。あっち見、こっち見しながら集合地点に行けば、遠来のさる
ぼぼさん、フェアさん、のりかさんの顔がある。雑談している内に、他の参加者の方々の
顔も定刻に集まってくる。

 「それでは行きましょう」の掛け声の下、花紀行に出発だ。今日は花観察とその撮影が
メイン。花のある所でビタッと停止してしまうから頂上まで行けるかどうか保証の限りで
ないというアバウト山行。これもまた良し。(^^;

 偶然にも、金剛山の植物の生き字引とも云えるMさんが通りかかる。のりかさんや、も
ぐさんの花の先達にも当たる人だ。アバウト山行である。少し予定を外して、何処へ行か
れるのか、お邪魔だろうがコバンザメの如くついていく事になった。(^^;

 先行するMさんが屈んでいる所には花あり!。少し例えは悪いが、我々はトリュフを探
してもらっているシェフのようだなぁ。(笑) でもそのお蔭でシュンラン、エイザンスミ
レ、トリガタハンショウヅル、ヤブレガサなどなどに出会うことが出来たのだからラッキ
ーこの上なしだった。

 そんなこんなであっという間に時間が経つ。本命のルート復帰までに1時間半以上は確
実に費やしたはず。そうして予定ルートに復帰するや、もうあっけないほど簡単に、サイ
ゴクサバノオにお出迎えを受けたのだった。えらそうな事はいえないけれど、まあ人生も
こんなものではないかしらん。逢いたい逢いたいと思っているとなかなか逢えず、逢える
時はごくごく簡単に。と、まあ能書きはこの位にして、早速画像に収めよう。もう皆さん
は既にカメラ少年、少女に還っている。少々意味が異なるかもしれないが『二度童』とい
う言葉がある。人間幾つになっても、何処かに少年少女の気持ちが潜んでいるのではなか
ろうか。それを如実に顔に出させるのが趣味の世界だろう。もぐさんやさるぼぼさんの顔
などはその証左ではあるまいか。
カメラ小僧2名、サイゴクサバノオを狙う

 サイゴクサバノオ。キンポウゲ科シロカネソウ属の多年草。誰が名づけたか『鯖の尾』
と不思議な名前だが、実の形状が鯖の尻尾に似ているからだという。華奢な茎に可憐な小
さな白い花を下向きに開いている。思春期を過ぎたまだ青い乙女といった風情。一見、目
立たないがよく見れば葯が黄色で花弁に青い斑点がある。これが慣れないアイシャドーを
つけた少女に思えるのである。花が下向きだから、みんなうつ伏せになって低いアングル
で素顔を狙う。風がないのに花が揺れる。あれっ?なんや、自分の鼻息だった。(^^; 余
談ながら、花弁に見えるのは実は萼片で、本来の花弁は黄色の葯のような蜜腺に変化して
いるのだそうだ。

 日頃何気なく歩いて行く所にも、探せば色々な花があるものだ。オオチャルメルソウ、
ヤマネコノメソウ、ヨゴレネコノメソウ、コガネネコノメソウ、マルバコンロンソウ、ユ
リワサビ。先程のサイゴクサバノオと同じくして、トウゴクサバノオも咲いている。他に
も教えてもらったけれども覚えているのはそのくらいだろうか。じっと眺めると、それぞ
れユニークな面白い姿をしているものである。

 そんなことで、あちこちに引っかかったお蔭で、昼前にはとうとう山頂には到達出来ず。
コース途中の邪魔にならない場所で、それも遅い昼食となる。

 のりかさんから濁り酒『金剛雪』の差し入れ。毎度、毎度有難うございます。下戸の小
生にとっては、香りだけで酔ってしまいそうなのだが、綺麗な名前と馥郁とした香りにほ
だされ、ついつい口に運んでしまい、呉春さんのイカナゴの釘煮などの差し入れとあいま
って、気がつけばマグカップ1杯分も頂いてしまった。持参の発泡酒レギュラー缶も一本。
今日は品行方正を旨としようとの誓いは脆くも崩れ、気がつけばいつもの自分に戻ってい
たのだった。(^^;

 ほろ酔い加減で午後の部突入。金剛山は山頂近くが一番きついのだが、そんなことはと
っくの昔に記憶の彼方。心臓バクバク。フーフーいいながら、やっとの事で国見山の広場
に到着。13:30。出発してからなんと4時間以上もかかっていることになる。(^^;;

 今年は寒気が抜けるのが遅く、広場の金剛桜も二週間前よりも蕾が膨らんでいるが、こ
れもまだまだ鱗片は固いもの。そういえば、途中で見かけたイチリンソウやユキザサも蕾
で、ニリンソウもチラホラ。でもそのお蔭でGWには最盛期を迎えられるかもしれない。

 昼過ぎだったこともあって思ったよりも広場に人は少ない。型どおり時計と山名表示板
の前で記念撮影をして下山である。

 下山コースでは今日のもう一つのハイライト、カタクリの群生見学が控えている。チラ
ホラ程度と思っていたが、雑木林の斜面を下るとこれが想像以上の大群落。斜面のかなり
上からも、その藤色の花色が目立つほど。これだけ咲いているなら、湖北の赤坂山まで行
かずとも済むなあ。(笑) しかも通常よりも花が大柄。直径5p以上はある。咲いて間が
ないのか、カタクリの得意技であるイナバウアーを披露してくれているのはまだ少ないよ
うである。
金剛山の雑木林に華麗に咲く

 ついでにミスミソウも見学に行くが、こちらは流石に花の時期を逸していたようである。
が、盗掘もされず無事な姿を見られただけでも収穫だったかもしれない。

 下山し、林道を歩いていると、待っていたかのように空からポツポツと来る。晴れ間は
殆どなかったけれど、高曇りだったせいか、写真撮影にはいい塩梅だったのではないだろ
うか。遠来のさるぼぼさん、いい写真が撮れたでしょうか?

 念願のサイゴクサバノオにも出会え、面白かった今日のオフも、遅い桜が咲く駐車場前
で解散。酒の肴に地元産の朝掘りタケノコと豆腐を買って帰ろう。皆さん有難うございま
した。


◎出合った花々の画像を金剛山花巡り〜2006〜にまとめています。


■同行 呉春さん、さるぼぼさん、のりかさん、ひょんさん、フェアレディさん、
    宮本さん夫妻、もぐさん(五十音順)

【タイムチャート】
7:20自宅発
8:40〜9:20まつまさ横(集合地)
9:20〜13:30この間うろうろ
13:30〜13:45山頂広場
15:30頃解散


金剛山のデータ
       青葉輝く金剛山』を参照下さい
【参考】金剛葛城自然歩道ダイヤモンドトレール地図



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