貴公子花紀行〜湿地は暑かぁ!鏡山

平成18年 7月 9日(日)
【天候】曇り時々雨
【同行】別掲
葉先にとまるベニシジミ(提供:すみれさん)


 丁度、一年ぶりの鏡山。湖東の里山ながら数々の歌に詠まれた名山である。そしてまた、
知る人ぞ知る花の山でもある。端境期かもしれないけれど、花を見に行きましょうのお誘
い。少々の雨でも、どこか歩く所をと考えていた小生。またまた即座に飛びついたのでし
た。(笑)

 定刻8:00。例によって桃山台駅西に集合し出発。まあ、蒸し暑い。天然サウナだ。
きっと谷筋や湿地は暑かろう。か弱い小生の体力じゃあ、とても持つまいなあ。(笑)

 深草バス停、菩提寺PAで参加者を糾合し総勢は7名。まずは、竜王ICを降りてすぐ
のコンビニで食料調達。先週はここで雨宿り。二週連続で来るとは思わなかった。(^^; 
しかしながらムーッとするすごい湿気にはやっぱり閉口。立っているだけで汗が滲んでく
るみたい。それにもめげず、湿地の花を探しにあちらこちら徘徊しようと意欲満々の面々
である。神社の参道近くの空き地に車を置き、長靴で足固め。場所の詳細は故あって省く
けれど、萩の一種であるコマツナギの薄赤紫の花が鮮やかな中を進むと、これまた綺麗に
捩れたネジバナが現れた。極小だけれど、これでもラン科の花。仔細に見れば非常に綺麗
な花である。ネジバナでこれだけの別嬪はそうそうお目にかかれず、早速、デジカメをと
取り出したら、ガイド表示は出るもののモニターが真っ黒。ピントを合わせると被写体に
近過ぎるとの警告マーク。電池を換えるも症状は同じ。「宝の山に入りながら.....」
とはこの心境。突然の故障にガックリだ。仕様がない。画像は同行の皆さんの一眼レフの
傑作を拝借させて頂く事にしよう。(なかいさんの画像を拝借しました。画像を戴いた皆
さん有難うございました)

 しかし、こういうときに限って写したい被写体が沢山現れるもの。コモウセンゴケ、モ
ウセンゴケ、イシモチソウ、コバノトンボソウなどが次から次へと足の踏み場もないほど。
イシモチソウは虫取り器官が小石を持ち上げるほど粘着力があることから付けられた名前。
少々おどろおどろしい名前であるが、花は直径1cmくらいの可憐な白い梅鉢型。コモウセ
ンゴケは5mm位のちっちゃな花だが、その赤紫がよく目立つ。コバノトンボソウは薄緑の
花。距といい花自体といい、ほんにトンボが飛んでいるみたいな花姿なのである。仔細に
眺めれば、みんないい顔をした花々だ。

 カキランにご執心のOさんの要望に従って場所を移す。その時突然の雨だ。大きな雨粒
は初めは密度が荒く、池の水面をパシャパシャ叩くほどには体に降りかからなかったのだ
けれど、次第に激しさを増し、傘を取り出す羽目に。だが、ものの5分もすると小止みに
なる。モトクロスバイクのゲレンデを見ながら、去年、うろちょろした辺りを進む。あら
あら、こんな所からと思われる箇所に踏み跡があって、入り組んだ小さな尾根上の道にな
る。関電の巡視道のようだ。汗だくになりながら、気がつけば小さな流れがある沢に飛び
出していた。

 ここにもコモウセンゴケ、モウセンゴケ、コバノトンボソウ、イシモチソウがすぐに見
つかる。そうして沢を遡行すると、草陰に明るい山吹色の花が目に入る。カキランの花。
一つ見つかればそこここに見つかるもので、中にはなかなか背の高い美人も顔を出してい
る。

 歓声を上げるOさん。みんなカメラ小僧、動かなくなった。手持ち無沙汰の小生、小流
れで顔を洗う。
「ああ、気色ええわ。」

 昼食は北方向が望めるという、少し開けた岩が日本庭園風に適度に転がる辺りへ移動し
て摂ることにする。そのお昼も終わりに近づく頃、再びかき曇った空から雨が落ちてきた。
今度は雷鳴を伴って、些か激しい雨。幸い食事もほぼ終わっていたので助かる。木陰に移
動し、上がるのを待てば、10分足らずで雲が切れ周囲は明るくなる。それにしても目ま
ぐるしい天気の変化である。「女心と梅雨の空」かなあ?(笑)

 帰路は沢を下ることになる。雨で濡れているので石の上に乗る時はとくに慎重にと、足
を運んでいけば、次第に流れも賑やかになって、道も太くなってきた。一際、左の流れが
大きく聞こえる。見ると人工の滝があって、どうも行場らしい。すると木で出来た鳥居が
現れた。滝、即ち竜神を祀るのだろうか。なんだか丹波の栗柄峠の滝に似ているように思
えた。

 道は益々明快になり、落ち葉が厚く積もった道を更に進めば、去年、見覚えのある「左
不動滝云々」と刻まれた石のある四辻である。東の方向へ進むと、モトクロスのゲレンデ
横の道に出て、往路に合流したのだった。

 例のコンビニに舞い戻り、渇きを癒す思い思いの品を購入する。すると、誰であったか、
手作りソフトとジェラートの店があるよの声。早速、そこへ行こう行こうの声が交錯する。
当初、笹間ヶ岳にも廻る予定が、暑さで「もうええかぁ」。皆さんもそんな感じで、敢え
て行こうの声は全く聞こえてこなかったのでありました。(笑)

 雪野山へ向かう道沿いにK牧場があって、新鮮牛乳を使ってソフトクリームやジェラー
トを販売しているのだった。小生は200円也のソフト(小)を買う。見ていると知る人
ぞ知るで、結構ひっきりなしに客が店に入ってくる。その店の上が休憩所になっていて、
みんなで仲良く雨宿り。クリームをなめながら、また降り出した雨を眺めるのでありまし
た。


■同行 Oさん、呉春さん、幸さん、すみれさん、なかいさん、もぐさん(五十音順)


 ■鏡山で見かけた花々(画像提供:なかいさん)

ネジバナ(ラン科ネジバナ属) イシモチソウ
 (モウセンゴケ科モウセンゴケ属)
コバノトンボソウ
    (ラン科ツレサギソウ属)
カキラン(ラン科カキラン属)
コモウセンゴケ
 (モウセンゴケ科モウセンゴケ属)



【タイムチャート】
計測していません


鏡山のデータ
鏡山〜里山で思わぬバリハイ』を参照下さい
【参考】2.5万図『近江八幡』   





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