新緑眩し若杉原生林周遊 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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森林浴の森百選『若杉天然林』遊歩道入口 |
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久方ぶりに島田さんのオフ。島田さんも予想しなかった人数が集まり、こどもの日の好 日、和気藹々の中、原生林に囲まれて、爽快な山歩きの一日を愉しんだ。以下、その一端 を紹介します。 今日も山日和だ。午前7時、桃山台駅西のロータリーを出発した北摂組+α(泉州組) 3名は、途中で水谷さんをピックアップ、一路、第一集合地の播州山崎に向かう。山崎I C近くのファミマでの、本来の集合時間は9時であったものの、それを待ちきれない我々 (年とった所為で単に朝が早いだけの陰口が聞こえてきそうだけれど(^^;)は、8時15 分にはもう到着。しかし、島田さんの車は既に到着していて買出しの最中。いつもながら に早い。その内にかねちゃん、かいさんもやってきて、懐かしい顔が勢ぞろいである。 ドタサン組が来るかもと、もう少し様子を見るという島田さんを残して、3台の車はお 先に最終集合地の若杉原生林駐車場に向け、ファミマを後にする。若杉へのアプローチで ある千種川沿いの県道は、実は10年も前ではあるが、できたばかりのコープふるさと村 へ宿泊した際に一度走ったことがある。所々、記憶が呼び覚まされる箇所もあって懐かし い。そのコープふるさと村への取り付け道路を右に過ごし、ちくさ高原スキー場を横にし てぐんぐん上っていく。そして最初の峠が峰越峠で今日の出発点になる。そこから一旦下 って、分岐を右に折れたすぐ先が若杉原生林の駐車場であった。現地集合組の丹波組のた ぬきさん夫妻ややまごさん等が既に到着している。駐車場は想像していた以上に広く、2 0台は駐車可能、トイレも完備されている。横を流れる清流は吉野川の上流で、吉井川の 源流でもあると標識が掲げてある。そんなことどもを眺めている間に、えびちゃんやなな さんたちも到着して、今日の参加者計17名が揃う。
の広い部分に車を寄せる。既にこの峠で標高1000mを越えているとはいうものの、今 日は立夏。日差しは早、夏の感触で鋭いが、幸い空気が乾燥しているので助かる。 峠の部分に僅かに残った旧道を歩いた先に、今日の取り付きはある。『源流探訪ツアー コース』の標識が地面に設置してある。丸太の階段道が播磨、美作国境尾根上を伸びてい く。暫くは急登だ。標高差60mを一気に登る。整備して大分月日が過ぎたと見えて、階 段の丸太は朽ち果て、その留め金具が突き出して引っ掛けると危ない。登り切るとほぼ平 坦な道が北に続く。西の岡山側が杉、東の兵庫県側が雑木の境目を歩く感じだ。
遅れたタムシバなどの白い花。ぽつんぽつんと淡いピンクはヤマザクラの花だ。目立たぬ が黄色い穂先はクロモジの花。地面を覆うのはチシマザサ(ネマガリタケ)で、うまくい けばスズノコが採れる。(^^/ 進むに従ってポツポツとブナが現れる。苔むした灰色の幹と薄赤いとも思える黄緑の葉 の対象が妙だ。だが、朽ちて倒れたのか、台風にやられたのか、直径50p位のブナが幹 の中途からボッキリと折れて倒れているのがある。倒木更新であればいいが、近頃、ブナ の実は実るが、中身が無い物が多いと聞いたが大丈夫だろうか? 1091m標高点ピークを登った先はブナが林立する広やかな台地。コミヤマカタバミが ブナの根元で一輪、可憐に咲く。
背丈より高いチシマザサの中に、最初は踏み跡らしきものがあるが、大きなブナの倒木が あって、その辺りで消えてしまう。タケの跳ね返りに注意しながら50mばかり進むと、 笹に囲まれた中に舟形光背を持つお地蔵さんの石仏が現れた。この付近が江浪峠らしい。 江浪峠は因播、播磨、美作の境で”三国峠”とも呼べる峠。石仏は昭和8年建立というか ら比較的新しい石仏だ。兵庫県側の麓の集落西河内の田中作太郎と寄進者の名がある。そ の前にはU字型に掘れた道らしきものが認められるが、その前後はタケに覆われたヤブに 還っている。してみると、その頃は播因を結ぶ最短路として、頻繁に行き来があったので あろう。それが70年ばかりの間に、藪と化してしまったということだ。人間のみならず 道にも栄枯盛衰があるとは感慨一入である。このちょっとしたヤブ歩きで、腕などに擦り 傷を作った人も多かったようだ。風呂の時にちょっと沁みるかも。(笑) でも、その余禄 はスズノコ。少し時期が早めであったらしく、小さいものが多く余り数も無かったけれど、 幾つか頂くことができた。(^o^/ 食事は江浪峠から元の道に戻った地点から凡そ150m北に行った因美国境のCa114 0mの伐採地。北から東が大きく展開して、胸のすくような展望が得られる。目の前に見 えるのはもう鳥取県の山で高倉、くらます。遠くには残雪をアクセントに大きく根の張っ た氷ノ山と赤倉山。更になだらかな扇ノ山。眼下に見える集落は若桜町吉川である。
思いに座を占める。ななさんからのアルプス土産の差し入れ、採ったスズノコの蒸し焼き をOAPさん夫妻から頂く。夫妻の自製味噌付きは、えぐみも無くこれは旨かった。 伐採斜面を下った所には荒れた林道が通り、”吉○山林道”起点とある。道はここから 登り返して1124m標高点に出る。こちらからは東山(とうせん)の姿が良い。その手 前には折り返し点の若杉峠の先の東屋が小さく見える。この辺りもチシマザサが多く、ス ズノコは無いかと鵜の目鷹の目で探していたら、思いがけなくトクワカソウ(イワウチワ) が見つかった。 1年以上前らしいが、熊のつけたらしい爪の跡があるブナを見て、再び荒れた林道。地 形図を見ると、先程の林道から分岐したものらしい。しかし、今はほったらかしで笹が覆 いかぶさり、朽ちた作業小屋があるのみ。その横を通り抜けて、右手の薄暗い植林斜面を 上がる。食事の直後だけに体が重い。 ウグイスの音色に送られて下った若杉峠は、因美国境の標高1052mの峠らしい峠。 若桜街道の難所であったであろうが、ここまで来ると因幡の国が眼前に広がり、旅人もホ ッとしたに違いない。ここにも石仏が置かれているが、こちらは宝暦4年(1754)と いうから江戸時代は徳川八代将軍吉宗が亡くなって数年後に建立されたもののようだ。
所となっている。低徘メンバーもここで休憩。島田さんのオカリナコンサートを愉しむ。 その音色につられた如く啼き出したツツドリの声の、なんとオカリナに似ていることか。 東屋からは西南へ、中国自然歩道を辿る。小さなアップダウンが連続する落ち葉のふか ふか道。ブナ、天然杉の道である。コガラやシジュウカラの声が降ってくる。約半時間で 第三分岐点。標高1190m。原生林の敷地の中では最も高い地点で案内図もあって、若 杉自然研究路の谷コースと尾根コースが分岐する。かいさん、もぐさん、小生の3人は、 ここで皆さんと別行動、谷コースで駐車場へ戻ることにする。こっちの方が谷道で楽だろ うとの思惑だったが、実はこちらの方が長丁場なのでした。(^^; 吉野川の源流の沢へ下りていくコースだ。ブナ、サワグルミ、トチノキ、ミズナラ、ハ ウチワカエデ、コミネカエデ、ナツツバキ、ムシカリ。それぞれ萌え出した若葉を透かし て落ちてくる木漏れ日も緑色に染まっているような、そんな感触を受ける。
眺めれば、なんとサンインシロカネソウの群落ではないか。これだけの群落は初めて。あ る所にはあるものだ。早速、地面に這いつくばって撮影モード。おかげでまあまあの写真 が撮れました。
で、道に残る石畳は旧道の面影を残していい風情である。
ただろうか。この辺りまで来ると、ドライブがてらやってきた人達とちょくちょく出会う ようになる。石を噛む様に白い泡を立てながら下る水の流れを左に、しっかりした石畳の 階段を下ると橋で、右に真新しい休憩舎の建物。駐車場の車の姿も垣間見えてくる。 「あれ?」人数が少ない。それもそのはず、尾根組はとっくに下山していて、待ちくた びれて先行したという。距離が長いにもかかわらず、サンインシロカネソウに魅せられて 時間を食ってしまったらしい。待機してくれていたわーさん、ななさん、のりかさん。申 し訳ございません。m(_ _)m 慌てて向かった峰越峠には、まだ皆さんが撤収の整理中で何とか間に合った。名残惜し いけれど、若杉オフはここでお開き。心が洗われるような癒しの森での一日。同行の皆さ ん、とりわけ案内頂いた島田さんに感謝です。 追伸:名残惜しさに北摂組+α(泉州組)は江坂にて、番外街オフまで開催したのであり ました。 ■同行 えびちゃん、かいさん、かねちゃん親子、しまださん、たぬきさん夫妻、ななさん、 にこちゃん、のりかさん、水谷さん、もぐさん、やまごさん、わーさん、 OAPさん夫妻 (五十音順)
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