樫ヶ峰から社家郷山ミニ縦走 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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馬ノ背への縦走路から樫ヶ峰 |
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以前、東六甲を塩尾寺から船坂峠まで歩いた時、時折望める南側に、やや低い山並みが 続いているのが目に付いた。手元のエアリアマップを開けると、社家郷山というのだった。 三角点峰はないけれど、馬ノ背状の尾根歩きもあってミニ縦走できるという。 阪急の逆瀬川駅前に出て、宝塚病院の前から逆瀬川を遡る。しばらく道なりで進み、ゆ ずり葉台から「エデンの園」に向かう道に入る。これといった駐車地は河川公園沿いの路 肩しかない。駐禁が気になるので駐める所をあれこれ探していると、建売住宅の建築現場 に格好の空き地があった。工事の人に声をかけると幸い駐めさせてくれるという。ありが たい。
ウツギ、ユキノシタ、スイカズラの花が咲いており、すぐに左へ登る道が見つかる。これ は関電の巡視道らしく、例の黒いプラ階段の道である。いきなりの急登だが、登るにした がって展望が広がり、南にもっこりと甲山の姿が意外に近い。更に登っていくと、常緑樹 林帯に入り視界が閉ざされる。風が通らず暑い。汗を拭き拭き、しばらくほの暗い中を歩 いて傾斜が緩んだ頃、ポッカリと切り開きに出る。関電の高圧鉄塔新神戸線bQ8である。 踏み跡は更に常緑樹のトンネルの中を辿っていく。しかし関電の火の用心看板の辻を左 に出れば、再び、雑木の林になって明るくなる。するとすぐに分岐。関電の巡視路は直進 していくようだが、左の細い木に「樫ヶ峰→」と小さな私製プレートが縛ってある。それ に従って、盛りを過ぎたピンクのモチツツジ、風化した花崗岩の白い砂と岩混じりの踏み 跡を登って行けば、鉄条網のある裸地が現れた。いい展望。ゴルフ場のグリーン、甲山、 北山貯水池。阪神競馬場。市街地の向こうには神戸港も広がって、大小の船が浮かんでい る。おやっ?下の方から電線が唸るような鳴き声はハルゼミらしい。もうそんな季節か。
ャンプ場からの道を合わせた所に、幾つかのプレートと共に西宮市教育委のオフィシャル 標識。「樫ヶ峰461.1m、甲山より152m高い」とあった。但し、国土地理院の地 形図では樫ヶ峰は457mとなっている。展望もないので、水分を補給した後、歩を進め る。足元に「社家郷山」と刻まれた花崗岩製の標石があった。
日のハイライトだ。尾根がぐっと狭まってくる。といってもそれほど怖い所はない。西宮 市の公共基準点bQ00の金属標が埋まるテラスを過ぎると、まもなく馬ノ背岩展望台の 標識の前。丈の低い松と岩が主体のさながら日本庭園風の場所である。目の前に東六甲山 系の電波塔が目印の大平山が大きく迫ってきて借景をなす。北側の眼下には裸の細い尾根 が見え、その尾根上に踏み跡様の筋。エデンの園の建物の方へ向かって、逆瀬川の源流の 樹林の中に消えるのが分かる。甲山も下に見え、貯水池が2つ3つ、水を湛えている。 東三ツ辻出合は小さなピークで南のキャンプ場からキレット道が上がってくる。この付 近からコアジサイが多くなり、ほのかに青い花から芳香が漂う。足元にはナルコユリ。
パラパラと赤い壷型の花が落ちているのに気づく。目を上げると、あら、ベニドウダン。 亜高山帯に登らねば無いと思っていたが、こんな低山にあるとは意外である。勿論、デジ カメに収めておく。(^^) 地形図の486m標高点と思しきピークには西三ツ辻の標識が立っている。「社家郷山 境界」と刻まれた標石もあり、ここが所謂、社家郷山だと思うのだが、考えるに社家郷山 というのは、元来、社家郷の村が管理する山の総称で、一つの峰をさす言葉ではないので はなかろうか。だから「社家郷山境界」や「社家郷山」などと刻まれた石標があるのであ ろう。因みに社家郷とは、えべっさんの本家、西宮神社の氏子の村のことだという。ここ にもキャンプ場からの道が上がってきている。 西三ツ辻から6分位で小笠峰出合。本来の小笠峰はここだと思うのだが、小笠峰の標識 があるのはもう少し西の何の変哲も無い小さなコブであった。そこからしばらく小笠峠へ と辿ってみる。踏み跡はまた常緑樹林の中となってジグザグにぐんぐん下っていく。10 分ほどすると、車の音が大きくなって、50mばかり下に車道が見えた。登り返すのも面 倒なので、この辺でUターンすることにした。 小笠峰から小笠峰出合に戻り、今度は外れ峰へ向かうことにする。すぐに外れ峰出合の 標柱。左へキジ谷経由でキャンプ場への道が分岐している。ここは右にとって小さな鞍部 を抜け、5分も歩けば外れ峰休憩台に到着だ。でも何処に休憩台があるのであろう?ちょ っとした切り開きだけで何もない。というわけですぐに引き返し、海も見えることだし、 小笠峰出合付近の尾根で昼食とする。
に登ったりしながら、結局誰にも会わず。岩倉橋のたもとに戻ったのはほぼ1時間程後の ことであった。 車に戻って、ついでだから社家郷山キャンプ場はどんな所か見ていくことにする。県道 を盤滝へ進み、標識に従って進んだところが、入り口が閉まっているではないか。どうも 閉鎖期間中のようで、今思えば、ここへ降りてこないで良かった。(^^; 真夏日だったという。道理で汗をかいたけれど、稜線では心地良い涼風が吹くミニ縦走 を楽しんだ東六甲の半日でした。
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