千町ヶ峰、銀雪ハイク
 
平成17年 2月27日(日)
【天候】曇り時々晴れ
【同行】別掲
バージンスノーの千町ヶ峰山頂


 雪の千町ヶ峰。加茂ちゃんがかんじきを貸してくれるという。そこで些か雪嫌いの小生
も初めてのスノーハイク挑戦。でも予報では土曜から冬型気圧配置が強まるという。さて
さて、大丈夫かいな?(笑)

 午前6時20分。もぐさんの車でまず名塩に。7時過ぎ、なかいさんのスタッドレス装
備の4駆に乗り継ぐ。これで少々の雪は大丈夫だ。(笑)

 風花が舞う名塩を後にして、西宮北ICから中国道を一路、山崎へ向かう。雪を被った
車が行きかうR29を、集合地点の道の駅『山崎』へは5分ほど。加茂ちゃんの赤い車は
もう先着している。挨拶を交わして定刻より若干早く出発する。

 R29を北上するに従って、道路脇の民家の軒先、田畑に残る雪が白さを増していく。
山ではどの位降っているのだろうか?一寸不安もある。(^^; 安積橋でR29と別れ、揖
保川沿いに県道6号を走る。西段ヶ峰でのアセビオフと同じアプローチだ。R429に出
て、満百千家(おちやま)という珍しい名の集落で草木、千町への峠越えの山道に入る。
急坂もあり登るに従って更に雪の量も増えてくるが、新雪らしく、幸い凍結もしていない。
地元の車の轍もあって、四駆車には案ずるほどのこともなく、下千町の集落手前のこぶし
の里の前に無事到着。
下千町は銀世界
登山口の「こぶしの里」

 積雪は15から20pくらいか。一面の雪景色だが、存外暖かい。風が無い所為だろう。
ワイワイと足固めしている間に、軽四輪に乗ったジモティらしきおじいさんが「物好きが
居るわい」と云わんばかりの顔で通過した。

 確かに千町ヶ峰登山口と標識の辺りには、先行者の足跡は無い。草木川に架かる橋を渡
って左に折れ、更に橋を渡り、トイレの前をまた右に折れる。こぶしの里の管理事務所前
を抜けると、醤油樽を転用した円筒形の面白い家がある。確か三田の「花のじゅうたん」
にもあったような。その先、「ひがしの家」と名づけられた古い農機具小屋を通り抜ける
と、いよいよ植林下の山道である。

 雪は降る気配が無いが、時折、あちらこちらで梢の雪が落ちてくる。だが、バッサリと
塊が落ちる湿った感じではなく、サーッと乾いた雪が粉のように舞い落ちる感じだ。それ
が雲の切れ間から漏れた陽光に反射してキラキラと輝く。でも見とれてはいられない。頭
からかぶれば、とりわけ首筋にでも入ろうものなら...。(笑)というわけで運悪く当
たる事がないように祈りながら歩く。

油断すると雪の爆弾が落ちてくる

 初めて木の道標が現れた。(以降、千町こぶしの会のプレートが要所にある)右に直角
に折れて、さっき、こぶしの里で渡った川の上流部にあたるらしい岩混じりの沢を渉る。
植林帯は積雪がやや少なかったが雑木林では格段に多くなる。登山道は雪に隠れ、一応、
テープに沿って歩くのだが、どこでも歩ける感じだ。ということは隠れた落とし穴が一杯
ということになる。(笑) 小生は後を歩いていて、踏み抜く危険が少ないからいいような
ものの、先頭の加茂ちゃんは先行者の足跡が無いからさぞかし大変だろう。

 徐々に傾斜が増してくる。足元が滑り始めた。下山時にはアイゼンが要りそうだなどと
考えながら登る。暑いが、気温は低いのだろう、汗が出るほどではない。雪原にはノウサ
ギの足跡や鹿らしい動物の足跡が残されている。

 前方がようやく明るくなり、チョロチョロ水が流れる小さな沢のある鞍部を過ぎると再
び雑木林となる。白い雪をまとった雑木の群れは綺麗だ。左方向へ折れて、少し登り返す
とほぼ平坦な尾根で、段ヶ峰付近もそうだったが、ここも同様の地味なのかアセビが多い。
赤みを帯びたつぼ型の蕾が鈴なりである。今年は花が多そうだ。

 この辺りまで頻繁にあったテープがいつの間にか見えなくなった。小雪も舞いだした中、
とりあえず、緩やかな傾斜の高い方へ進んでいく。幾度か冬場に登ったかもちゃん曰く、
ここへ来るといつもそうだという。GPSも三角点まであと400m弱と表示しており、
方向も間違っていなさそうだ。失敗しても足跡が残るので、雪の時は却って戻るのも簡単。
思い出したように現れるテープはもうあんまりあてにせず、アセビに積もった雪を踏み抜
いて、時折ずっこけながらも、高い方へ進んでいけば、最後は饅頭のような形をした山頂
に飛び出した。

山頂まではもう一息だ

 バージンスノーが覆う山頂には尼崎山の会の標識と一宮町観光協会の標識と、雪で真っ
白な松に登頂プレートが幾つか引っ掛けてある。展望は最高なのだそうだが、下界では良
かった視界も、ここでは雪雲に覆われて、今回もまたお預けかぁ?。残念。時間とともに
少しは良くなることを期待して、先に昼食とする。

 ツボ足での雪原歩きは予想以上にエネルギーを使っているのか腹が減るものだ。お握り
弁当が上手い。惜しむらくは水は持ってきたのに、カップ麺を買い忘れたこと。これも残
念だぁ!
無風の山頂で昼食

 昼食の間に、舞い始めた雪も止んで薄日が射し、視界も若干持ち直したようだ。西の尾
根沿いに個人所有の無線小屋が見える。その先に段ヶ峰が見えるはずだがこれははっきり
しない。南を見れば砥峰高原のススキの原が真っ白なのがぼんやり分かるようになった。
北方向直下には林道にゲートらしきものが。その向こうにも魅力的な雑木の稜線が延びる。
いいねぇ。

 下山は登ってきた足跡を目印だから迷うこともない。その代わり何度ズッコケたろう。
アスピリンスノーで濡れることもなく、快適、快適。行きで危惧したアイゼン装着も結局
最後まで不要。かんじきも使わずじまいで降りきってしまった。一寸つけてみればよかっ
たかな?少し後悔。
シンと静まり返る山頂から西の風景

 雪化粧の奥播磨の山々を眺めながら、下界に降りてくると、行きにはあれだけあった雪
が影も形もないではないか。今まで雪と遊んでいたのが嘘みたいな。同じ一日とは思えな
いポカポカ陽気に変わっているのには驚いた。こんな所にも春が近づいているのを伺わせ
る。山が笑い始めるまでもう少しの辛抱である。帰途は最寄の一宮温泉「まほろばの湯」
に寄り、皆で一っ風呂。温まって帰ることにする。

 今日も同行の皆さんに感謝。なんだか雪中ハイクにはまりそうな気が。かんじき買うか
な?でもそこまでのアプローチが...。(^^ゝ

■同行 加茂ちゃん、なかいさん、もぐさん(五十音順)

【タイムチャート】
6:20自宅発
8:10〜8:20道の駅『山崎』(集合地)
8:50〜9:10こぶしの里(登山口)
11:10〜12:00千町ヶ峰(1141.3m 三等三角点)
13:10こぶしの里


千町ヶ峰のデータ
【所在地】兵庫県宍粟郡大河内町、一宮町
【標高】1141.3m(三等三角点)
【備考】 揖保川と市川に挟まれた播州高原の北部を占める生野高
原の主峰、段ヶ峰の西に位置する千m峰です。山頂から
の展望は雄大で、南に砥峰高原、東に生野高原、北に藤
無山などの山々を展望することができます。登路は西の
一宮町下千町のこぶしの里からが一般的です。
【参考】
2.5万図『生野』



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