オフ二日目は二上山
 
平成17年 2月 6日(日)
【天候】晴れ
【同行】別掲
二上山の雄岳から直線状に並ぶ
大和葛城山と金剛山。右は二上山の雌岳


 葛城高原ロッジでの一泊宴会オフ。鴨鍋を堪能した翌日は二上山。下山した大和葛城山
から移動して、山麓線を北上、R166の交差点を過ぎた左手に集合地の道の駅『ふたか
みパーク』はある。朝まだ早いというのに道の駅の駐車場はほぼ満杯だ。といってももう
10時半を廻っているのだが...。なんとか空きを見つけて準備開始。参加者全員集合
したところでペンギンさんの先導で道の駅の西側の舗装路を北へ歩く。

 二上山は実に7年ぶりの再訪。五木寛之の「風の王国」を読んで、当麻寺から祐泉寺へ
出て馬の背へ直登し、雌岳をピストン、雄岳から二上神社口へ下り、当麻寺へ戻るという
コースで、ここも通った筈だが、残念ながら今はあまり記憶に無い。

 左手に池、二上山の姿を間近に、右手には長閑な大和盆地を眺めながら歩く。見事な植
木の庭に広壮な民家が多い。一説に、大和は天領が多く、私領に較べて収公率が緩やかで、
自然、農家が富んだからだという。

 約5分で道標に従い左に折れると、神社の杜らしき鬱蒼とした杉の古木の群れが目に入
る。二上神社、倭文(しとり)神社、加守神社の三式内社の静まる杜である。元々御神体
は二上山の雄岳だろう。急な石段を登った先に拝殿があり、磐座もあるそうだが、ズボラ
をして、下の境内でこの一年の無事を祈って拝礼をしておく。

 登山道は神社境内向かって左から伸びている。すぐに勢いのない笹混じりの雑木林とな
って落ち葉が分厚く、雰囲気はよいが、残念ながら整備されすぎて延々と丸木階段が続く。
7年前はこんなではなかったような気がするのだが...。

二上神社から雄岳へ向かう

 結構な急登だ。500mと少しの低山だが、短い距離で400mを登らねばならない。
から侮れない。近鉄二上山駅のある畑からの道と合する頃には、額から汗が流れ出す。ベ
ンチがあったのでここで小休止だ。

 所々に丁石があるのは山上の葛木二上神社の参道であったからだろう。祭神は豊布都霊
神即ち建御雷神で大国主命の子で農耕の神だ。古来、「嶽まいり」と称して麓の村人たち
が水乞いに山へ登る風習があったという。

 一旦、緩まった傾斜は再び斜度を増し、山頂直下で最後の頑張りを求める。ただ、西南
方面が開けて見晴るかされ、登りの辛さも忘れるところだ。

 頭上に石垣が見えてくる。大津皇子陵である。7年前はここで食事したなぁ。これだけ
はなぜか覚えている。(笑)

 陵から西へ少しで葛木二上神社。登山道の木々に「美化保存協力費200円を頂きます
云々」の貼り紙があったが、ちゃんと、お兄さんが簡易テーブルを置いて待ち居構えてい
た。何か釈然としないが、ハイカーの余りのマナーの悪さに業を煮やしたのであろう。昭
和47年に山火事があり、本殿が消失したことも影響しているのかも知れない。ペンギン
さんが団体交渉、二割引にしてもらった。(笑)

 雄岳から馬の背への下る道からは雌岳、葛城山、金剛山が惑星直列の如く、居並ぶ姿が
面白い。ここから見る金剛、葛城は流石に大きい。

 馬の背の茶店は今日も休業で、桜並木を少し登り返せば、雌岳の頂上で、一寸した広場
になっており、三等三角点と石の日時計が置かれている。今日はここで昼食。干支の石を
銘々ベンチにして、思い思いの食事である。

 ペンギンさんに用意してもらったコーヒーにちょいと焼酎を垂らして飲みながら、展望
を楽しむ。500m足らずの低山であるが、眺望は雄大。東は近くに大和三山、若草山、
竜王山、三輪山をはじめとする大和高原。音羽三山、倶留尊高原、台高、大峰の山々。西
には大阪平野から大阪湾に浮かぶ船、淡路島、六甲連山、北摂の山々と一望である。明石
海峡大橋の橋脚が見えると、水谷さんも、たぬきさんも云うが、小生には霞んで最後まで
見えず仕舞いであった。これだけの見晴らしなので城があったに違いないと思ったら、や
はり砦が気づかれていたらしい。雄岳には郭の跡があるそうだ。

雌岳山頂の三等三角点と日時計。ここで昼食だ

 雌岳をあとに、南の岩屋方向へ。ジグザグにつけられた山道には植栽がされてあって、
道も広く、これはまあ遊歩道の趣きだ。それを下りきった所が岩屋峠。小尾根をそのまま
真っ直ぐ行けば約700mで古代の官道があった竹ノ内峠だそうだ。峠には案内板とベン
チが置かれてあって、すぐ先に岩屋があるというので見物に行く。南へ少し下ると台風で
倒れた樹齢七百年といわれる岩屋杉が横たわっていて、その横を辿ると西向きに石窟が開
いている。その中に多宝塔様の石塔が鎮座する。これが「岩屋」。ペンギンさん曰く、昔
はもっと鮮明だったとのこと。酸性雨の影響か、今は風化が進んでいる。辺りは凝灰岩の
産地で、あちらこちらの古墳の石棺はここから掘り出されて建造されたという。この石塔
も凝灰岩で、石窟寺院があったというが、資料がないらしく詳細は定かでないとのことで
ある。

 さて、峠にとって返すと、後は下るのみ。鬱蒼とした杉林で、淡く雪が消え残る。水場
を過ごすと小さな谷になり、そこから祐泉寺はすぐで、馬の背直登道と合流する。ここか
らは近畿自然歩道だが、舗装道。初田川を右に見て、裏向不動尊や石仏の置かれたしっと
り道を歩けば、大龍寺の門前から釣り池に出て、東屋のある初田川園地である。更に山口
神社を右にして傘堂に寄る。

 傘堂から道の駅までは、造り酒屋もある落ち着いた昔ながらの集落の中を歩く。鳳凰の
形どった街灯があるのにはビックリ。余程、裕福な集落だったに違いない。突き当たりの
地蔵の辻で左に折れて、道の駅はすぐそこであった。

岩屋

 丁度予定していた午後2時過ぎ。道の駅「ふたかみパーク」で解散。去年の矢田山オフ
に続いて、先導頂いたペンギンさん、有難うございました。そして皆さん、お疲れ様でし
た。寒くもなくハイク日和の二上山でした。

■オフ参加者
  呉春さん、たぬきさん夫妻、たらちゃん、なかいさん、ななさん、
  二輪草さん&修ちゃん、のりかさん、フェアレディさん、ペンギンさん夫妻、
  まむさん、水谷さん、宮本さん、もぐさん、小生(計17名 五十音順)


【タイムチャート】
10:42道の駅『ふたかみパーク』
10:55二上神社
11:16〜11:23畑・春日神社分岐
11:47〜11:52雄岳(大津皇子陵)(517m)
12:00馬の背
12:12〜13:00雌岳(474.2m 三等三角点)
13:10〜13:18岩屋峠
13:30祐泉寺
13:40〜13:45初田川園地
13:48〜13:55傘堂
14:10道の駅『ふたかみパーク』


二上山のデータ
【備考】二上山〜「風の王国」の舞台を辿る』を参照ください。
【参考】
ダイヤモンドトレール案内地図



   トップページに戻る

inserted by FC2 system