入之波温泉「山鳩湯」
平成16年 7月18日(日)
天候: 曇り
同行: 単独
山鳩湯入口。奧にダム湖が見える



 拝啓

 またまたお手紙差し上げます。
 飽きずにまた大峰へ行って参りました。お前も好きだなとおっしゃいますな。今回訪れ
た大普賢岳は前々から登りたかったのです。残念ながらガスで展望は利きませんでしたが、
それでも山の良さを堪能させてくれました。中でも自然林の素晴しさは特筆物でしたね。

 さて、今回の下山後のお湯は入之波温泉山鳩湯であります。ここには以前、二度程、来
たことがあるのですが、「落とし文」はまだでしたので紹介しようと久々にやってきた次
第です。

 R168から別れ、大迫ダムの堰堤を渡って、北股川を堰き止めて出来たダム湖に沿っ
て東に向かいます。ここは大台登山口の筏場への道であり、又、後南朝の行宮があった三
之公へも行ける道でもあります。集落も殆ど無く辺鄙な道あのですが、今日は何故か次か
ら次へと対向車がやってきます。みんな温泉客の車なのでしょうか?それなら入場するの
に時間が掛かるなぁと少しいやな予感です。

 入之波はダム湖を3qほど遡った所にある小さな集落。以前は山鳩湯だけだったので、
隠れ湯のような感じだったのですが、近年、川上村村営の五色湯も出来、温泉ガイドに度
々紹介されることもあいまって、人の行き来も増えてきたようです。集落手前のトンネル
を潜ると、前を走っていた車は五色湯のある方へ曲がって行きました。山鳩湯は更に直進
して集落を抜けた所だったはずですが、その手前から路肩駐車する車がズラーッと。こら、
凄いわ。100m程行き過ぎた所にやっと空きを見つけました。

 山鳩湯は車道とダム湖に挟まれた斜面に建つ一軒宿です。玄関に下りていくと、おばさ
んと客が問答です。
「入浴は5時迄やから、それまでに上がって欲しいんやけど」
今、4時丁度。

 風呂はダム湖の斜面の一番下。おばさんに600円払って急な階段を降りていきます。
ところが降りて吃驚。満員御礼。丁度、大台ヶ原等からの下山時間とも重なっているから
なのでしょう、芋の子ですね。時間が詰まっているので入れるだけ入れた感じです。しか
も洗い場が3人分しかないので大変でした。

 湯船はだいぶ、改造されてますね。以前は湯の花の付着した杉丸太作りの古い湯船があ
るきりでしたが、その内湯も大きくなって、その外に半露天風呂が出来ていました。でも
湯はその当時と変わりません。紀伊半島に数ある温泉の中でも特別で、黄土色を呈してい
ます。100m程ボーリングしたら湧き出したそうで、初めは透明ですが空気に触れた途
端に色が変わるそうです。

 半露天風呂に廻ってみます。内湯の浴槽との仕切りに穴が開いていて、湯が流れ込んで
くる仕組み。水温は40℃位でしょうか。長湯しても逆上せない心地よい暖かさです。湯
は掛け流しのようです。ケヤキだという浴槽に腕を載せて眺めると、灌木の間からダム湖
の青い水面が望めます。しばしゆっくりと眺めて内湯に戻りました。

 玄関で靴を履いている間にも次々と新客が。時に4時40分。おばさん受付で仁王立ち。
「5時迄に出てもらわなあかんねん。残念やけど・・・。」
お客さん残念。五色湯に廻ってーな。

 泊まらずとも食堂で食事もできますから、こちらにお越しの節はどうぞ。アマゴの釜飯
が旨かったです。それではまたお便りします。ではでは。

敬具 

追伸: 貴重品入れのロッカーが有料(100円)です。よって入浴料実質700円。出
    来たら投入した100円、戻るようにして欲しいわぁ。(笑)

 入之波温泉「山鳩湯」のデータ
【所在地】奈良県吉野郡川上村入之波
【泉質】ナトリウム炭酸水素塩泉
【温度】39.0℃
【効能】神経痛、筋肉痛、五十肩、慢性消化器病、婦人病など
【備考】 吉野川に作られた大迫ダムで堰き止められたダム湖の畔に
ある一軒宿です。湯はこの辺りでは珍しく黄土色をしてい
ます。温泉の歴史は古く、近くに東熊野街道が通じている
ので、元禄時代から湯治客が通ったと云います。入之波の
奧の筏場は大台への登山口の一つで、一泊しての大台登山
もいいでしょう。最寄りまで奈良交通バスがありますが、
本数と時間を確認して下さい。
TEL 07465−4−0262



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