こんだ薬師温泉「ぬくもりの郷」
平成16年 2月22日(日)
天候: 晴れ
同行: 単独
こんだ薬師温泉入口の門



 前略
 漸くあちらこちらから梅の花が綻びた便りが聞かれるようになりましたね。そんな中に
早春を告げる花々の噂も混じっていましたので、ちと早いかなとは思いましたが、先日、
待ちきれずに訪れてみました。

 すると、ここのところの暖かさに誘われてか、所謂「スプリングエフェメラル」と呼ば
れるキンポウゲ科の花々がちらほらと。途中、偶然出会った低徘のSさんには「神仏のパ
ラダイス」とでも呼ぶべき場所にも案内してもらい、予想外の収穫でありました。
「えっ?目的はそれだけではなかろう?」って?
「うむ。お見通し、よくご存知で」(^^;
ご明察の通り、今日はもう一つ目的がありまして、それはこの2月1日にオープン仕立て
の「こんだ薬師温泉」探訪。「掛け流し」との触れ込みを確かめに行ってきました。今回
は一寸ばかし文が長いですが、お付き合いください。

 カミさんはPTAの用事があるというので今日は単独行。(^^; 朝昼兼用の遅い食事を
したためて家を出ます。

 丁度、三田と篠山の市境を走っている時です。路肩に何やら見覚えのある車とメガネの
お兄さんが仔細有り気。
「おや?Sさんでは?」
Uターンして確かめるとやはりそうでした。その道では結構有名という石碑をためつすが
めつ。「読誦普門品○○」と刻まれてありましたから観音経なぞの有難いお経を1万回と
か読んだ記念の碑でしょうなぁ。次に面白いものがあるというので近くの波田山大師寺へ。
これがまた不思議。少し荒れてはいますが、稲荷、○○権現、金毘羅、弘法大師、観音巡
りに七福神。もうありとあらゆる神仏が渾然一体。中にユニークな線刻がありました。そ
れにしても現世利益そのものズバリって感じでした。

波田山大師寺境内のユニークな七福神?らしい線刻

 Sさんとはここでお暇して、本来の目的、花にターゲットを移します。咲いていたのは
アズマイチゲ、セツブンソウなどでした。盛りには観光バスで見物に来るらしいのですが、
今日は他に1組のグループが写真撮影に来ていただけでまだまだ静かなものです。姿をゆ
っくりとデジカメに収めて自生地を後にしました。

アズマイチゲ
ユキワリイチゲ
セツブンソウ

 さて、次はR372を西進します。近づくに従って、あちらこちらに幟が翻っています
ので、間違えることはありますまい。実は前々からここに温泉があることは知っていたの
です。当時「薬師温泉」と案内板があったので行ってみると、これが湯を売る温泉スタン
ドだけだったんですね。その際、その内、施設ができるとは小耳に挟んではいたのです。

 案内板に従って南に折れて、今田中学校を過ぎ、和田寺山の西北斜面にあたる赤土むき
出しの造成地を行くと駐車場があります。
「ここで降りてください」と係員。温泉施設は丘のだいぶ上なのですが、何でも駐車待ち
の車がずらりと並んでいるのだそうです。マイクロバスで送迎するとの事なので、ここに
車を置いてバスの人となりました。

 施設はログハウスの様な和風建築の様な。丹波の農家をイメージしてるんでしょうなぁ。
玄関の壁にはオロナインやったかレトロな看板が張り付けてあります。それにしてもまあ
凄い人出です。ごったがえすとはこのことでんな。玄関入ると下足箱と土産物の売店なの
ですが、そこからして人ごみ。とりわけ受付前はてんやわんやの大騒ぎです。何とか整理
券をもらって順番待ち。その点、男性は早いですわね。20分程で順番が来ましたから。
でも女性は大変です。カミさん連れて来なくて良かったかも。尤も、以前、岸和田の「い
よやかの郷」では1時間以上待ちましたけどね。
「あんたも好きねぇ」って言葉が聞こえてきそうですが。(笑)

ごった返す受付

 浴場は丹波石っていうのでしょうか、薄茶色っぽい大きな石を組み合わせた岩風呂風で、
入口を入ると大浴槽に洗い場。階段を下りると中浴槽に源泉風呂とサウナ。ガラス戸を抜
けると露天風呂がこれまた大小あり、他に打たせ湯と足湯があります。(丹波焼の陶板風
呂もあって、日によって男女交替となる様です)

 肝腎の湯の方ですが、やや白っぽい感じの透明な湯で、大露天風呂は「掛け流し」を意
識してか、「循環式ですが、4時間で湯が入れ替わります」と但し書きがありました。で
もややカルキ臭に似た匂いがしたのが気になりました。その点、室内の源泉風呂は汲み上
げた源泉を沸かさずそのまま使用しているそうで、水温は30℃。温水プールの温度でんな。
こちらの方が何とはなしに有難い気がします。泉質は軟らかいとでもいいましょうか。pH
8.0と弱アルカリ性ですが、肌のツルツル感はそれ程でもありませんでした。

 受付であれだけ混んでいたのに中はわりにゆったりしています。ロッカーの鍵数で限ら
れる入場人数に比べて、浴場が広いのでしょうね。但し、洗い場の数は少ないですね。こ
こも順番待ちでした。そうそう面白いのはシャンプー、ボディソープとも炭を使っていて
黒いこと。タオルにボディーソープをつけると黒く染まって大丈夫かいなと思わせる程で
した。(笑)

 あっちに浸かりこっちに浸かりしている内に、とうとう雨が降り出してきました。慌て
て東屋の下に逃げ込みましたが、突風も吹いて荒れ模様。しようがない、室内へ避難です。

 湯上り後、少しうろうろしてみます。下り勾配の渡り廊下を行きます。戸外に立杭焼ら
しい壷や甕、皿が置かれています。周辺は今は土がむき出しですが、雑木が育ってくれば
もっと風情が出てくるでしょうね。その廊下を下った先は食堂と休憩所。顔が入ってしま
うような大きな丼のうどんがありましたよ。さて、味の方はどうでしょうか?

 まだまだごったがえす建物を後にして、雨も上がったようなので帰りは取付け道路をぶ
らぶらと下ることにします。建物が和田寺山の中腹にありますからなかなか雄大な景色が
楽しめます。向かいに一際大きな西光寺山。頂上部は雲に隠れています。右手は西寺山で
しょうか。しかし、沢山、山がありますねぇ。登っても登ってもきりがないなぁ。(笑)
そういえば「のぼっても のぼっても あおいやま」って句がありましたなぁ。あぁ否
「わけいっても わけいっても....」でしたか。ははは。

 相変わらず沢山の車が駐車場の空き待ち。それでも次々に登ってきます。そんなのを眺
めながら気がつけば麓。帰りは地道で費用節約です。(笑)

 さてオープン仕立ての温泉印象記はいかがでした?料金は600円(H16/2現在)とリズ
ナブルです。それでは、これで。またお楽しみに。
草々 
■シャンプー、リンス完備ですが、タオルは持参下さい。

 こんだ薬師温泉「ぬくもりの郷」のデータ
【所在地】兵庫県篠山市今田町今田新田21−10
【泉質】ナトリウム塩化物塩泉
【温度】34.1℃
【効能】神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、痔疾など
【備考】 立杭焼で有名な篠山市今田町は和田寺山の西の裾野、
地下1,300mから湧き出す温泉で、毎分615L
と豊富な湯量を誇ります。
他に丹波篠山の食材を生かした日本料理レストラン、
軽食コーナー、丹波焼や黒豆などの特産品の売店など
が揃っています。
TEL 079−590−3377



  トップページに戻る

inserted by FC2 system