虚空蔵山で「ケーキ”食うぞう”」

平成16年12月25日(土)
【天候】晴れのち曇り
【同行】別掲
ケーキ食うぞうパーティ風景


 今年のクリスマスは土曜日。低山徘徊派の企画部長?Nさんの発案で、ケーキパーティ
を山の上でという空前絶後?の企画が持ち上がった。舞台は摂丹国境の虚空蔵山。題して
『虚空蔵山でケーキ食うぞう』オフ。年末の忙しい時ではあるが、そこは何はさておいて
も山の為ならという低徘面々。初見参の方も含めて総勢17名が集まるという大盛況。ケ
ーキのみならず、ワインあり、ブランデーあり、チャイあり、純米吟醸ありと、左党にと
っても嬉しい企画となったのでした。

 三田西で高速を降りて間道を北上する。北方には富士山に似た虚空蔵山が姿を見せる。
かなりの冷え込みを証明するかのように、薄茶に枯れた田畑の上は真っ白い霜。しかし日
差しは暖かく、絶好の山日和だ。

 今年の2月に来た時と同じく、藍本駅前の月極駐車場横に車を止めさせて頂く。そうこ
うする内にメンバが三々五々集まりだす。そして9時過ぎに着いたJR福知山線の普通か
らぞろぞろと降り立った山姿の面々の顔は、既にほんのり桜色である。

 駅前広場で自己紹介を交わすが、まあこれだけ集まると、近頃、とみに記憶力の薄れた
小生には誰が誰やら。(^^; 「まぁ。ええかぁ。」

民家の横に酒垂岩への道が

 駅前から旧街道筋を酒垂神社方面へ南下する。50mも歩いただろうか。右手の民家横
に山道が見つかる。印などはとくにない。ものの本によると、虚空蔵山への道が舞鶴道の
建設によって風情が無くなったのを憂いて、かの多田繁次さんが新たに紹介したコースだ
という。竹やぶと植林交じりの緩い傾斜の道は山腹を巻きながら伸びていくが、直ぐに分
岐し、何れの方にもPPテープで通せんぼがしてある。台風23号で山が荒れた為か、そ
れともマツタケ山の立入禁止の名残なのか。駄目な場合は戻ればよかろうと、とりあえず
進むことにして右の斜面に付けられた道を登り始める。因みに左の道(こちらの方が明瞭
だが)は池へ向かう道だそうだ。

 枯れ枝が堆積してやや荒れた印象を受けるが、明瞭な踏み跡がエンジンのかからぬ身に
は少しつらい斜面を登っていく。すると直ぐに祠が現れる。愛宕山とある。さっきの道は
愛宕明神の参道だったのであろう、道理で明瞭なはずだ。その祠を左に見て更に斜面を登
る。やや道はか細くなるが、斜面が徐々に尾根状を呈して来るので迷うこともない。ヒサ
カキとアセビ、松、ツツジ。典型的な明るい摂丹の雑木林だ。

 やがて葉の落ちた木立を透かして、大きな岩が視界に入ってくる。酒垂岩らしい。麓の
酒垂神社の磐境だろう、十数人は座れそうな聞きしに勝る大きな岩である。昔、この岩か
ら流れる水を飲んだところ、猛威を振るったさしもの疫病も、たちどころに退散したとい
う言い伝えがある。四角く岩を穿った部分があるが、何が祀られていたのであろうか。

突然の大岩は酒垂岩。歩いている人と較べて下さい

 その大岩の上に立つと、東から南方向が眺められ気分良し。ここで小休止、額には汗。
ヤッケを脱ぐ。

 岩には右にも左にも巻道があり、フリクションが良いので直登も可能。いずれも岩の直
ぐ上で合流する。ここからは道というより踏み跡然となるが、適当に赤テープもあり、倒
木も殆どなく思ったより歩きよい。境界見出し標のあるCa300mのピークを過ぎ、次の
359mの標高点ピークで、またもや一息入れる。理由はHさん差し入れのどら焼き。小
腹の空いた面々は来年のトラ優勝を祈念して一気に頬張る。
「そうや。そうや。今年も負け越したドラ(中日)を食わんとなぁ」(笑)

 359mピークから踏み跡は一旦、鞍部への下りとなる。この辺り、しっとりしたいい
感じなのであるが、這い上がってくる舞鶴道の車の騒音が璧に瑕。それもそのはず木々の
間から思ったより近くに高速道が垣間見える。丁度、今いる所は藍本トンネルの上なのだ
った。

 やがて、ひ弱い桧の植林、下草にこれも勢いのない笹が現れ、ほぼ平坦な道をしばらく
進むと、見覚えのある十字路に飛び出した。裏参道との出合。道標と関電の巡視路を示す
標識がある。

 一行は左に折れて裏参道を虚空蔵堂へと進む。枯れ木や倒木が伐採、整理されて以前よ
り余程歩きよくなっている。これも見覚えある小さな木橋を渡って大きく右にカーブする
と、今度は表参道との出合で、虚空蔵堂は石段のすぐ上である。

虚空蔵山から立杭の里。左は和田寺山、右に西寺山
右奥にとんがり山。

 案外立派なお堂の前で記念写真を撮り、一息入れた後、お堂の右手から坂道を登る。役
行者の石像を左に見て、漸く姿を現した虚空蔵山の最後の急登をこなせば、立杭の陶の郷
からの道と合わさって、山頂は直ぐそこである。先行していたグループが降りて行ったの
で丹波岩は勿論、山頂も幸い無人。お昼には少し間があったけれど、テーブルを囲むや否
や、ケーキを「食うぞう」パーティは一気に全開モード。宴酣といった風情に急展開だ。

アッという間にテーブルの上は.....。(^。^)/
ケーキ食うゾウ。それより酒やぁ!

 しかし、出るわ出るわ。皆さんのザックから次々と。まるでドラえもんのポケット状態
だ。とても書ききれない程である。とりわけ、スポンジケーキが本当に出てきて、クリー
ムとマーブルチョコでデコレーションされたのには驚いた。ケーキのトッピングが完了し
たら、まずはワインで乾杯。後は無礼講。なんやようわからん。イチゴもあったなぁ。チ
ーズケーキにカップケーキ、遠来のYさんからの紅葉饅頭も。だけど酒の種類だけははっ
きり覚えている。ボージョレにメルシャン、秀月、太平洋、レミー。何でも来い状態。珍
しくビールがなかったなぁ。それにしても、初めて飲んだチャイの味はなんとも複雑微妙
なものでありました。(^^; その間にもアンテナを立てて無線をはじめる人、眺望を愛で
る人。食い気専門の人。千差万別。これぞ低山徘徊派の真骨頂。まあ、まとめる人は大変
なんですが。(笑)
パーティの始まり、始まりぃ〜

 ワイワイ、ガヤガヤ。トナカイの角を持参した人もいて、後から上がってこられたパー
ティの方々には煩くてさぞかしご迷惑だったろう。m(_ _)m でも、幸いだったと言おうか、
1時間半も山頂に陣取っていたのであるが、いつもより登ってくるハイカーが少なかった
ようでありました。それとも異様な雰囲気に恐れをなして山頂直下で引き返したのかも?

 下山は腹ごなしに虚空蔵山北尾根縦走。少し酔いが廻って雲の上をフワフワ歩いていた
人や足を軽く挫いた人もいたけれど、鎖の岩も無事通過して何とか大事にも至らず3時前、
油井へ下山とあいなったのでした。それにしてもオロ峠は何処なのか、やっぱりよくわか
らなかったなぁ。
山上山北の石仏横の鎖場を恐る恐る

 解散地の草野駅。恒例、Tさんご持参の黒豆パンで「ケーキ食うぞうオフ」もフィナー
レ。いつの間にか今年も大詰め。一年無事に歩けたことに感謝しながら、こんだ薬師温泉
に寄り道して帰途に着く。次は29日の忘年会だぁ。同行の皆さん有難うございました。
また来年もよろしくお願いします。

■虚空蔵山北尾根については『虚空蔵山北尾根を八王子山、山上山』を参照ください。


■同行: あかげらさん、研さん、呉春さん、GORYUさん、谷口さん、母たぬきさん
     だっちゃん、中島さん、Natsuさん、ななさん、修ちゃん、のりかさん
     Hiroさん、水谷さん、宮本さん、もぐさん



【タイムチャート】
7:20自宅発
8:35〜9:30JR藍本駅前(駐車地)
9:35愛宕社の祠
9:45〜9:55酒垂岩
10:00境界見出標のあるピーク(Ca300m)
10:05〜10:15359mピーク
10:22裏参道出合
10:35〜10:45虚空蔵堂
11:05〜11:10陶の郷道出合
11:17〜12:45虚空蔵山(592m)
12:55虚空蔵山北側の陶の郷分岐
13:15鉄塔(丹南線bP4)のある鞍部
13:22八王子山(Ca540m)
13:30三角点のある八王子山(496.1m 三等三角点『草野』)
13:47〜13:55露岩(Ca410m)
14:05〜14:10417mピーク
14:40油井集落の車道


虚空蔵山、八王子山のデータ
虚空蔵山』、
虚空蔵山北尾根を八王子山、山上山へ』を参照下さい。
【参考】
2.5万図『藍本』        



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