恒例!貴公子超低山巡りB〜茶臼山
 
平成16年 9月 4日(土)
【天候】曇り
【同行】単独
河底池と茶臼山


 「なにわ名物トホホ登山」の内、最後まで残っていた茶臼山。今回登頂?出来て、よう
やく足かけ4年にわたる念願が叶いました。って、ちと大袈裟ですか。(^^;

 紀伊半島の参詣道が世界遺産に登録されたのを記念して、『祈りの道』と題した展覧会
が天王寺美術館で開催されている。行きたいなと思っていたところ、タイミング良く、N
さんから招待券を頂いた。早速、出かけることにした。

 天王寺美術館へは、役行者1300年忌記念で開催された『役行者と修験道の世界』で
訪れて以来だが、つい最近と思っていたら、もうあれから5年にもなるのだった。「光陰
矢の如し」とは誠にもって言い得て妙である。

 5年前とは格段に整備された公園内。『フェルメールの道』などあの頃無かったなぁ。
美術館は初老の男女で大盛況。やっぱりあの年代は金も暇もふんだんに有しているとみえ
る。展覧会では吉野の金峯山寺所蔵の4mを越える蔵王権現の大迫力に圧倒されたけれど、
印象に残ったのは、内田康夫の『天河伝説殺人事件』でも重要な小道具となっていた、天
河弁財天社所蔵の能面『阿古父尉』が間近に見られたこと。聞きしにまさる鬼気迫る翁の
面であった。

 一通り堪能して、例の如くカタログを買って玄関を出ると、目の前の案内標識に気付く。
そこには茶臼山の文字。
「おお、そうやった。確か『なにわ名物トホホ登山』の一つやなかったかな?」
ただ一つ取りこぼしていた山?だ。とすれば勿論行かずばなるまい。(笑)

 標識に従い、玄関から右(北)へ曲がって暫く歩くと、こんもりした森が見えてくる。
その手前に池。河底池という。濃い緑色をした水。連日の暑さでアオコが大量に発生して
いるのであろう。プーンと青臭い臭いが鼻をつく。茶臼山の森はその向こうで、和気橋と
いう朱塗りの橋が架けられている。橋を渡りながら池の面を覗くと、大きな亀があちこち
から首を出している。気のせいかだんだん寄ってくるようだ。試しに首を引っ込めて別の
場所から覗くと、やや、やっぱりこちらに寄ってきた。餌付けされているらしい。それに
しても夜店などでミドリカメと呼ばれて売られている外国産のアカミミガメばかりだ。小
さいうちは可愛いが、こう大きくなると何ともグロテスク。しかも獰猛だという。ついに
日本産のカメはクサガメ1頭を見つけたのみであった。これじゃ生態系がおかしくなるわ
けだ。

 さて、橋を渡り、右に巻いていくと左手にコンクリ階段。10m程、エッチラオッチラ
登るとあっけなく山頂でありました。(あたりまえか)

茶臼山山頂

 山頂は広場になっていて、ベンチも置かれている。そのベンチで、リタイアした小父さ
んが二人、のんびりとだべっている。その対角線上ではカップルが恋の囁きか、親密に。
縦横にある踏み跡を適当に辿ると、北側に大きなお寺が見えた。一心寺南門。茶臼山は骨
仏で有名な一心寺の南にあったのだと初めて知ったのだった。

慶沢園の四阿から日本庭園

 帰りは旧住友財閥の所有であった慶沢園を横切って戻ることにする。和気橋を渡ってす
ぐ、左手の林に入って行く小径がある。

 茶臼山は元々、前方後円墳。大阪冬の陣では徳川家康の本陣ともなった場所だった事で
も有名である。河底池はその環濠であったらしい。その南側一帯に広がる広大な日本庭園
が慶沢園。中心には池が配され、こんもりとした森が周囲を取り巻いていて、四阿からの
眺めは、ここが大阪かと思わせる位で別天地の感がある。しかしながら、庭園の一歩外は
寺院とラブホテルが軒を接するという妙な取り合わせ。けばけばしいネオンの光に、死者
もおちおち寝ていられぬだろうに。(笑)

 ひょんなことから最後の一低山制覇。大阪北部に住む者にとって、天王寺界隈は動物園
以外、あまり足を向けない地域だが、「南にもなかなか良い所があるやないの」の思いを
深くした展覧会と低山散歩でありました。

【タイムチャート】
計測していません


茶臼山のデータ
【所在地】大阪市天王寺区
【標高】26m
【備考】 天王寺公園内の南に市立天王寺美術館、西に天王寺動物
園に挟まれた丘です。元は上町台地の南端を利用した古
墳といわれ、大阪冬の陣の激戦地でもあります。地下鉄
天王寺駅、動物園前駅から約10分です。
【参考】なし



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