春深まる能勢でワラビを戴く

平成14年 4月20日(土)
【天候】 薄曇り
【同行】 カミさん、三女朋加
結構、沢山採れたワラビ


 近頃、山歩きを始めたお陰で、フキノトウ、ツクシと毎年、山の幸をお裾分け戴いてい
るのだが、去年、能勢の里山を歩いていたら、ワラビがやや薄目の緑の羽状葉を広げてい
るのにしばしばお目にかかった。それまではワラビなど珍しいものとの先入観があったの
だが、案外そうでもないものなのだと気がついた。そんなわけで今年からワラビもお裾分
けの範疇に入れられればと、かねて目をつけていた所へドライブがてら家族で行ってきま
した。

 R423から府道で能勢町に入り、とある林道に乗り入れる。広くなった路肩に車を止
めて車外に出るといきなりウグイスの声。それもすぐ近く。しかし突然の人声に驚いたの
かすぐにくすんだ緑色をした鳥は飛び去った。

 盛り上がるような若緑の中に、モミジイチゴの白、山吹の黄金色、コバノミツバツツジ
の赤紫が映える。足許にはアメジストをばら撒いた様にタチツボスミレ。桧の苗が植え付
けられた伐採地に出る。かねて目をつけていた場所だ。が、ザーッと目で探した感じでは
見当たらない。
「おかしいなぁ。無いわぁ。」
やや落胆しかけた時である。枯れ草に混じって、例の3本の枝の拳を丸める様な薄緑の姿
が20p程に伸びているのに気づいた。1本見つかるとあちこちで見つかるものだ。そう
する内に、徐々に見付けるコツが身に付いてくる。どうも日当たりの良い、荒れ地や林道
の端が狙い目らしい。そんな初歩の知識もなく探そうというのだから多寡が知れているが、
それでも林道沿いに探して、30分もするとコンビニの袋の中は結構な重さになった。

 こうして山菜採りをしていて気づいたことがある。手折られているものが結構あるとい
うことだ。ワラビ、スカンポ、タラの芽。私達が来る前に探しに来た人がいるんだなぁ。
昨今は山菜ブーム。東北地方ではトリカブトの若芽を食べて1人が死んだという。ハシリ
ドコロも若葉はいかにも旨そうな色と柔らかさだ。キノコ狩りもそうだが、素人は確実な
物以外は手を出さぬ方が良いようだ。出来れば図鑑類持参が無難である。

 地に這いつくばるようにキランソウが咲いていると思ったら、その横は白い産毛が目立
つジュウニヒトエである。早速、デジカメを向けるが、出たレンズがすぐに引っ込む。
「ありゃー?あちゃー、電池切れや.....。」
残念ながらスペアは無し。こういう時に限って、写したいものが現れるのである。これぞ
マーフィーの法則。

 ワラビ取りにも飽きて、道端にシートを敷き、持参したお菓子と飲み物で一休み。小鳥
の声以外は時折吹く風に騒ぐ松や雑木の葉音と、小さな沢の水音のみ。大阪にもまだこん
な所あるんや。

 途中で見つけた小さな沢の水溜まりには、イモリがごそごそ蠢いている。シマヘビもき
っちり2匹現れた。遅いヤマザクラも散り初め。もうすっかり爛漫の春が深まる能勢で戴
いた山の幸でした。勿論、当夜の酒のあてはワラビの煮物でした。


【タイムチャート】
計測していません



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