貴公子花紀行〜カトラ谷から百花繚乱の金剛山

平成14年 4月21日(日)
【天候】 曇り一時小雨
【同行】 別掲
カトラ谷の源頭を埋め尽くしていたニリンソウ


 深い気圧の谷の接近で本格的な雨だという。しかし起床し外を見れば厚い灰色の雲には
所々に切れ間があり、降っているのは弱い雨。今日は低徘MLが取り持つ縁でカップルが
誕生したのを祝う金剛山オフ。花も一杯だというので、都合をつけての参加。キャンプ場
では鴨汁の振る舞いもあり、少々の雨なら決行だというので、いつもの様に天候にやきも
きすることもないのだが、やはり望むらくは良い天気。

 阪神高速を南下する内に、路面が乾いているのに気づく。こっちはあんまり降ってない
のか?三宅ランプからR309。南東方向にはガスった金剛山。今日は雨具の用意も万端
なので、少し降った方が却って趣がありそうといつもとは逆の発想である。

 定刻20分前にシイタケセンターに無事到着。センター裏手のトイレ前の駐車場に車を
置いて準備していると、先着された皆さんがシイタケセンターに向かうところに出会った。

 9時半、全員集合。総勢14名。今回も盛況なり。簡単な自己紹介の後、フェアレディ
さんの先導で早速、黒栂谷コースで山に向かう。千早本道とは逆に茶店の前から左の道を
採る。今日はお任せコースで地図類は何も持ってこなかった。フェアレディさんにおんぶ
にだっこである。よろしくお願いします。(笑)

 雨上がりのしっとりした道には早くもスミレやムラサキケマン、チゴユリ等が出迎えて
くれる。右手に砂防堤を見た後、舗装路は分岐するが、直進し頑丈な黒いゲートの脇を抜
ける。この舗装路は長谷林道で、右に曲がって山腹を巻く様に植林帯の中を登っていくが、
高畑谷への道を過ごして進む内に、漸く山道らしくなってくる。

 山際へぶつかる。ここでも道が分岐していて左には林道、直進の尾根道はセトへの道。
右に折れるのがカトラ谷のコースだという。カトラ谷には雨の時、一部滑って危ない所が
あると云うので雨が予想された昨日、黒栂谷コースに変更されたのだが、雨も上がってい
ることとて、全員、花の多いカトラを行きたいとのリクエストにまたまた急遽変更とあい
なる。これぞオフの面目躍如。ツアーではこうは行きません。(笑)

 金剛山は花崗岩で出来た山らしい。その所為かカトラ谷も明るい沢である。踏み跡は非
常に明瞭。小さな滝もある沢を時折横断しながら遡っていく。下では散って無かったミヤ
マカタバミの花もここでは蕾も見られる。

新緑初々しいカトラ谷を遡行する面々

 本日一番の難所に差しかかる。山桜の花びらが付着した崖をへつる感じで越える。ロー
プが用意されているからどうということはないが、濡れているので滑るのだけには注意が
必要。更に2m程垂直に岩を登った所からはV字型の谷の対岸にコバノミツバツツジが赤
紫の花をつけているのが眺められ、誠に印象的であった。

 右に分岐している沢へ、本沢から離れる感じで進む。やがて、再び沢の分岐。今度は左。
赤坂小学校の道標がある。傾斜を増した踏み跡を喘ぎつつ登る。まもなく現れたのは水場。
金剛山は北摂に比べて山が格段に大きく水場も豊富である。パイプに導かれた水の横には
コップが置かれている。清冽な水を口に含むと不思議に甘い感触が広がった。

 一息入れて再び大きな石の転がる沢沿いの急な道を行く。沢も源流域に近づき、水もほ
とんど無い。振り返ればいつの間にか阪神間の平野が広がり、雨に拭われたように視界が
広がっていて、関西新空港と空港島がくっきり認められる。

 更に急登をこなすと一転、平坦な広場にポンという感じで飛び出す。そして驚いた。そ
れまで所々に見かけたニリンソウが大群落なのである。ややピンクがかった花はまだ蕾も
多くある。それらに混じってネコノメソウ、ヤマエンゴサク、ヤマルリソウ。エンレイソ
ウにコバイケイソウまで群生しているのには驚いた。

 一行はデジカメ片手にあちらこちらに分散、なかなか前へ進まない。それも当然。これ
だけの花があれば仕様がない。

 再び現れた急坂は少しシャリバテの体には辛かったが、それも暫く。飛び出たところは
国見岳の山頂広場の下。セトからの道らしい踏み跡と合して、史跡金剛山の石標横に出て
すぐに『金剛山頂』の標識のある国見岳の広場。ここでも視界は良く伸びて、大阪平野が
一望。OBPのビル街は云うに及ばず、遠く六甲から明石海峡大橋まで眺められる。フェ
アさんによれば、なかなか珍しいのだそうだ。

 金剛櫻はまだ蕾だが、他の櫻は五分咲位か。今年何回目の花見だろうか。

 ここから転法輪寺の本堂横から左へ折れて、クマザサの茂る中につけられた道を進む。
丁度、金剛山の最高峰葛木岳の裏手。と、前で歓声が上がる。見ればあちこちにカタクリ。
残念ながら全て未だ未開花であったが、自生種を見たのはこれが初めての経験なので感激
である。しかも特徴ある斑入りの葉に意外に大きな蕾。このまま盗掘されず、大事に繁殖
して行って欲しいものである。

 金剛山最高部を縫うダイトレを南下して昼食予定のキャンプ場に向かう。途中、展望台
にも寄ったが、生憎、大峰は雲が懸かっていたものの、和泉山脈方面は雲海が広がり、こ
ちらも素晴らしい景観である。ここも長居したいのだが、昼食時間が迫っており、後ろ髪
を引かれる思いだ。が、早く降りて正解なのであった。展望台下の花園では春の多彩な花
々が顔を見せていたのだから。

展望台から雲海で幻想的な和泉山脈を望む

 遊歩道にはホンシャクナゲ、コブシ、カタクリ。そしてシラネアオイにヤマブキソウ。
誠に百花繚乱。目移りしてしまう。

 千早園地を横切り、ようやくキャンプ場。炊事場ではのりかさん、田中さんがお目当て
鴨汁の準備万端を整えていた。テーブルに着くが早く、早速、鴨汁を賞味する。感想は唯、
一言。「旨い」これに尽きるのであった。でも今回オフはそれだけに止まらず。関東から
遠路はるばるのつむぎさんからは鳩サブレ。大加茂さん・みーとさんからは饅頭、萌木さ
んの手作りクッキー、田中さんの果物、果てはどなたの差し入れか抹茶迄、出るわ出るわ。
そして小生にとっての極めつけはフェアさんからの大和五条の原酒『松の滴』。琥珀色の
清酒は独特の味で、持参した缶ビールも飲んだのに、臆面もなく三杯もお代わりしてしま
った。済みません。(笑)

 次いで本日の主賓大加茂さん達の挨拶の後には食後のコーヒーまで出るという豪華版。
準備さぞかし大変だったに違いなく、のりかさん、田中さんに多謝。

 我慢していた空もそろそろ限界か小雨が落ちてきたのを汐に、下りは超ポピュラーの念
仏坂。ヤマザクラや山吹に見送られながら降っていく。

 昨年の金剛山オフのシルバーコースは今は通行止め。しかし妙見尾根コースは未だ健在
の様である。登山口へは40分ほど。バスで帰宅の方々もおられ、ここで散会となる。

 正に色とりどりの花が見られた金剛山オフ。今回の花紀行も充実の一言である。オフの
お世話を戴いたのりかさんフェアレディさん有り難うございました。オフ皆さんにも感謝
です。

ここをクリックすると今回出会った花の写真集が見られます。


【同行】大加茂さん、田中さん、つむぎさん、二輪草さん夫妻、のりかさん、
    フェアレディさん、ぺけさん、松田さん、水谷さん、ミートさん、
    萌木さん、もぐもぐさん(50音順)


【タイムチャート】
8:00自宅発
9:10〜9:15シイタケセンター手前駐車場
9:20〜9:30シイタケセンター前(集合地)
10:00カトラ谷・黒栂谷分岐
10:26〜10:28崖道上部の谷の分岐
10:37〜10:40水場
11:10葛木神社裏
11:15〜11:25国見岳
12:22〜13:50金剛山キャンプ場(昼食)
14:22念仏坂府道出合



金剛山のデータ
青葉輝く金剛山』を参照下さい。



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