残暑にめげず小金ヶ岳

平成14年 8月25日(日)
【天候】 晴れ
【同行】 単独
尾根に出た登山道から小金ヶ岳。手前は北壁


 台風のお陰で一気に秋めいたと思ったら、残暑がぶり返したこの週末。暑いやら、HPの
更新やら何やらで、余り外へ出る気がしなかったのだが、青空を見たらやっぱり....。(^^;

 でも何処へ?日曜の朝の10時になってもまだ目的地が....。時間的にもう遠征?は無理。
と、ふと脳裏に浮かんだのがお手軽に岩稜歩きが楽しめる多紀アルプスの小金ヶ岳。背筋を
寒くするのも一興でしょう。

 多紀アルプスへは約2年半ぶり。が軟弱ながら麓から登る気はさらさら無く、大たわまで
車で上る小生であります。

 瀬利から火打岩(ひうちわん)を経て、大たわの駐車場に着いたのは12時前。5、6台
の車がとまっている。ミンミンゼミの声が聞こえるが、案外涼しい風が吹き抜ける。用意を
整えて東の小金ヶ岳の登山口へ。

 やはり緑の中は天然のクーラー。照り返しが無いのがこれ程涼しいとは。とは云っても坂
道を登れば矢張り汗ばむが....。緩々と桧林の中を登って行く内に、右の涸れ沢が少々深く
なり、やがてまた源頭状に浅くなる頃、道は右に折れ、植林帯を抜け出て雑木の尾根に出る。
照葉常緑樹が多い。踏みならされた道にまもなくコンクリート擬木の階段が現れ、それを登
り切ると下草にクマザサが茂り、雑木に覆われたCa610mピーク。そして樹林を抜け出
ると峨々たる小金ヶ岳がようやく姿を見せ、最初の岩が目の前に現れる。ここからが小金ヶ
岳のハイライトの岩稜歩き。しかし、この岩には左にちゃんと巻き道がある。岩の横を一旦
下って再び登り返すと、そこには山水画の世界を髣髴とさせるような風景が目の前に展開す
る。『北壁』と書かれた標識のある岩場の向こうのもう一段高い岩稜に、帽子を被った男性
の頭が見える。ここへ来る度に「あんなとこ歩けるんかいな?」と思う場所である。

尾根に出るとようやく小金ヶ岳が

 『北壁』から覗くと眼下はすっぱり切れ落ちて、「絶景かな絶景かな」
農家の屋根がマッチ箱。走る車も小さい。北の草山温泉やゴルフ場もよく見える。西ヶ岳の
東の『西の覗き』に対して『東の覗き』はここだろうか?背筋の涼しいのは吹き上げてくる
冷風の所為だけでもなさそうである。西には大きく根を張った三岳。四方いずれを見回して
も、盛夏を過ぎて濃緑色をした雑木の樹冠に囲まれた風景である。いいなぁ。

 前日に降ったのか岩が濡れている部分もあり、鎖やロープ、灌木の幹に掴まったりなどし
て慎重に足場を固めながら進んでいく。最後のコルを過ごすと小金ヶ岳への最後の登り。倶
留尊山の山頂直下の登りに似て、これが結構きつい。拭いても拭いても汗が滴ってくる。息
を切らせて登る内に、頭上の覆う木々が無くなってぽっかりと小金ヶ岳の山頂に飛び出る。

山頂直下からCa610mピーク。奧は三岳の東尾根

 猫の額位の狭い山頂には方角を記したコンクリート製の大きな円形ベンチがある。その周
囲で2組のパーティ(4名)が昼食中。失礼して上半身裸になり、Tシャツをベンチに広げ
乾かす。その間にこちらも遅い食事。先着のパーティの内、男性2人組は神戸市の道場から
来たという六甲がテリトリの方々で、例によって当方はお二人と四方山話。そうする内に単
独小父さんが上がってきた。聞けば火打岩から三岳経由で来たという。しかも「新ハイ」の
会員なのだという。くだんの小父さん、話を続けて、
「実は、9月5日に新ハイの例会があって、サブリーダやってるもんで今日は下見です。」
当方「ほーう。そうなんですか。へーぇ。」(帰宅して最新号を見るとNさんと仰る方でし
た。因みに10月は養老山へ行かれる様です)

 小金ヶ岳の山頂からは四方が見渡せ、却って一等三角点のある三岳よりも良い位。4人で
山座同定は靄っているので視界は伸びなかったものの、波の様な山また山の姿は圧巻で、そ
の中でも西光寺山、鹿倉山等が一際目立つ存在であった。

 すると南側から単独兄さん。直接南の小金口を目指して降りていったそうなのだが、茂っ
ていて道が不明確な所に出くわしたとのことで、諦めて戻ってきたという。というわけでそ
のまま大たわへ降りて行かれた。それを契機に当方も下山にかかることにする。

 ふと気がつくとピンクの小さい唇弁を持つ花が足許の到る所に咲いている。ママコナに似
ているが、それにしては花が小さい。

 大たわに戻ると駐車場の車も2、3台に減っている。蝉の声もツクツクボウシの声がいつ
の間にか混じっていて、暑いとはいえ、知らず知らずのうちに季節は移ろっているようだ。
その往く夏を惜しむのか、駐車場の隅で咲くサルスベリの赤紫の花はいまだ盛りでした。


【タイムチャート】
10:35自宅発
12:25〜12:30大タワ(駐車地 Ca510m)
13:05北壁
13:15〜14:05小金ヶ岳(725m)
14:45大たわ



小金ヶ岳のデータ
冴え返りつつ多紀アルプス〜三岳、小金が岳』をご覧下さい。
【参考】2.5万図『村雲』



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