初夏の知明山のんびり散策

平成14年 6月 15日(土)
【天候】 晴れ時々曇り
【同行】 単独
『森の広場』から知明山


 先週、久方ぶりに三女を連れて遊びに行った一庫公園。立入禁止だった山のゾーンの保
護柵も取り払われて、歩く人の姿もちらほら。というわけで今日は完成なった山のゾーン
をのんびり散歩。

 昼を済ませてからの出発。途中でお茶とサンドイッチを仕入れて「丘の駐車場」。駐車
場の奥から山へ伸びる遊歩道がある。里山の植生に必要以上に手が入っていないのが良い。
薄暗い林床には白い十字型のドクダミの花が浮かんでいる。ブーンと顔にまとわりつくブ
ヨの様な虫が鬱陶しい。

十薬とも呼ばれるドクダミの花

 暫く登ると2m幅の舗装路で、この舗装路、車椅子でも散策出来るようにとの配慮から
建設されたのだろう、兎に角、立派。右手に向かうと「キャノピーウォーク」と呼ばれる
木の橋に出る。木々を上から眺められる様にしたものだ。下の木々を見ると葉っぱの一枚
一枚が無駄なく日光を受けているのがよく分かる。

 舗装路と別れて地道を伝い、沢の休憩所、岩場の休憩所と廻る。モチツツジ、リョウブ、
アカマツ、台場クヌギにコナラ。典型的な北摂の里山風景だが、特にサンショウが目立つ。

 岩場の休憩所からは急登、背後には高代寺山が迫る。確か工事中の時にここまで来たっ
け?今は丸太の階段。手すりもある。どんどん登って傾斜が緩むと知明山の南の稜線。所
々に置かれた木株の椅子、ウグイスの囀りを耳にしながら、屋根型の木組みが現れたら「
こもれ陽広場」と呼ばれる知明山の山頂である。南向きに四等三角点が埋まっている。こ
の辺りには多田銀山から奇妙山親絃(きみょうざんおやづる)と呼ばれる鉱脈が繋がって
おり、今も間歩と呼ばれる採掘坑の口が開いている。知明山山頂の平坦部には採掘用の建
物が建っていた可能性もあるそうだ。

 山頂を後にして松林の中を少し降った展望台付近。日陰を選んでベンチに腰掛け、持参
のサンドイッチで小休止とする。

 尾根沿いに開かれた自然観察路には、公園化される前の時代の残置テープが巻かれた枝
が残っている。その中には北摂で良く見かける「MPC」とマジックで書かれたものもあ
る。

 炭焼窯跡等を見学しながらゆるゆる下ると、見晴らしの丘の展望台。やや靄っているが
なかなか見晴らしはよい。鉢伏山から堂屋敷、五月山に繋がる山並みや、北摂大峰山、中
山連山から三田方面の山々が眺められる。

 「丘の流れ」には先週は三女を連れてきたが、今日も多くの子供達が水遊びに余念がな
い。もう少しすれば、ヒメゲンゴロウやヤゴが見つかるはずだ。

意外に可憐なニワゼキショウの花

 芝生が敷き詰められた「森の広場」から廻ってネイチャーセンターを訪れる。ここでは
猪狩りや寒天作り等、一庫周辺で営まれていた生活の一端を紹介している。さらに公園で
催されたワークショップの成果が展示されていて興味深い。

 センターを後にして、舗装路をぐるりと更に巡る。エントランス広場から知明山へ直登
する道は500段の階段だそうだ。松の休憩所を抜けて再びキャノピーウォークに出る。
駐車場への道を過ごして、ネイチャーセンター上から、クヌギの苗が植えられたジグザグ
に切られた道を下ってセンター横の炭焼き窯横に出る。そこから駐車場はすぐ。日陰にな
った駐車場では、水遊びに飽きた親子が帰り支度。カラスがねぐらを目指して東へ向かっ
ていった。こちらもそろそろ帰るとするか。途中で見つけたホタルブクロの花を真下のア
ングルから撮影して家路につく。

ホタルブクロを下から撮って見ました
違う花に見えます。



【タイムチャート】
    計測していません



知明山のデータ
【所在地】兵庫県川西市
【標高】349.2m (四等三角点)
【備考】 典型的な里山ですが、兵庫県立一庫公園の山のゾーンと
して整備され、高低差130m、総延長2.5qの自然
観察路では気軽に雑木林の散歩が楽しめます。また、こ
の付近は多田銀山の主要な鉱脈があった所で、現在も採
掘坑(間歩)の跡が至る所に見られます。
【参考】2.5万図『広根』



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