本滝寺から妙見山へ秋散策

平成13年10月 8日(月)
天候: 曇り時々晴れ
同行: 三女朋加
妙見山上の本滝寺への降り口にある道しるべにて


 カミさんから明日は三女を何処かへ連れて行けという有り難〜い指令。雨が降るかもと
たかを括っていましたが、明けてみると薄日も射す天気。どうしようか?行き先も決めて
ません。久しぶりに大阪府民牧場はどうだろう、ポニーにも乗れるしと誘うがあんまり乗
り気でない様子。それじゃ山でも歩こうかというと行くという。近場で当方もまだ歩いた
ことがなくて、且つ幼児でも歩ける所。はて難しい。

 色々無い知恵で思案して、結局落ち着いたのは能勢妙見山。北側の本滝寺からのお手軽
コースにしました。

 もう1時近く。例によって途中のコンビニで軽い食べ物と飲み物を仕入れます。山へ行
く誘いに三女が乗るのは、必ず寄るコンビニでお菓子が入手できるからでしょう。(笑)

 箕面から北摂霊園を経由してR423に出ます。妙見山への府道との交差点の北側には
コスモスの里がある。今は盛りと見えて、遠目にもピンクの絨毯のようです。

 野間トンネルを抜け、暫く下った辺りに石の鳥居。ここを曲がって本滝寺への参道に入
ると、右手に茶店があり、更に進むと南無妙法蓮華経と染め抜かれた赤い幟が林立する本
滝寺の建物が見えてきます。その下の駐車場をお借りしました。

 右側の石段を登ると立派な本堂。左手の崖際には八大竜王や日蓮宗独特の髭文字の石碑
が沢山並んでいます。その奥には金属製の竜の口から流れ落ちる滝があって、行場となっ
ています。本滝寺は行基菩薩の創建という古刹。戦国時代に戦火に遭って消失。江戸時代
に復興したと由緒書にありました。

 境内の右側の石が転がる山道を登ります。左側は小さい沢。そびえ立つ太い杉の根元の
穴には何やら祀ってあり、石碑も数多く並んでいます。白龍大神、○○善神等々色んな神
様があったものだ。それと比例してゴミも少なくありません。カラスや風雨で荒らされた
のか、それらの神前に供えられた供物や磁器製の神具が壊れたりして散乱しています。も
う少し何とかならぬものかなあ。

 おどろおどろした雰囲気を敏感に察してか、朋香は「帰ろう」と云いだしましたが、宥
めて上へ。
 
 前方に古い建物が現れました。「まるや旅館」と塗装が剥げかけた看板が上がっていま
す。「お籠もり、中食承ります」「電話 地黄○○○○番」の言葉書きも時代を感じさせ
ます。廃屋かと思えば、中でおばあさんと中年の男性が声高に喋っています。山の水を引
いた手洗い場には栗が置かれていました。

 夫婦杉らしき2本に幹が別れた杉の辺りで登山道は右に折れます。すると右の台地に、
今度は正真正銘の廃屋が現れました。元は塔頭だったのでしょうか。境内には髭文字の石
碑、それに稲荷社もありました。その隣の石碑には、月星製薬を創業した星某が、大正年
間に工場を作ったところ、大いに成功を納めたので建てた云々と書かれてありました。廃
屋を覗きたかったのですが、境内は草が茂り今にも蛇が出そうで、早々に元の道へ引き返
します。

 この辺り、一寸歩き難い荒れた道ですが、あちこちにツリフネソウの群落があります。
ミカエリソウも沢山。その他、ツルニンジン、クサアジサイ、モミジガサ。秋口に湿っ
た場所に咲く野草が多く見られました。

妙見山への道端で見つけたクサアジサイ

 大阪府の設置したブナの解説板が目に入る頃には、ようやく傾斜も緩んで、やや葉が色
づいた二抱えもありそうなブナが目につきます。樹齢200年は経ているでしょうか。で
も幼木が見あたらないのはやや将来が心配です。

 木立の奧から太鼓の音が聞こえてきます。右に大きくカーブして少し登っていくと、妙
見山上の門前街の東端にでました。妙見奥の院まで四十○丁と彫られた寄進の道しるべと
「左 そのべ、笹山。右 京○○」と刻まれた道標がありました。そして現代の道しるべ
は大阪環状自然歩道のものでした。

 直進して道なりに進むと、右手のササ原に登ってゆく踏み跡があります。その先に給水
施設と大きな忠魂碑が立つ妙見山頂。ブナの木の囲まれて四等三角点が埋まっています。

 近年建設された信徒施設『星嶺』に初めて入館してみました。簡易郵便局はここに移転
しています。なんと坊さんが局員でした。売店も兼ねているようですが、山頭火の詩集も
売られています。「わけいってもわけいっても 青い山」ですか。

 星嶺の前のテラスでおやつにしました。昨日以上の霞ですが、ゴルフ場のある石堂ヶ岡、
反射板の立つ天台山、光明山、高代寺山、鉢伏山、堂屋敷などが並んでいました。

 サンドイッチやドーナツなどで一息ついた後、妙見宮へ向かいます。山門が丁度、大阪
府と兵庫県の県境です。昨日の最高気温19℃最低気温13℃の表示がありました。

 草餅を買おうと思いましたが残念売り切れ。鐘を撞いたり、本殿でじゃらんじゃらんと
鐘を鳴らしたり道草を喰って境内を抜けます。

 昔ながらの信者や講中で訪れる人は減っているのでしょう、昔日の面影はないようで、
廃業した茶店兼旅館が二軒向かい合って並んでいます。その間を本滝寺に向かって下りま
す。もう秋分も過ぎた所為か、それとも曇っている所為か、薄暗くなるのが早まってきた
感じがします。その中を、朋加は登りとは別人のように元気になっています。勢い余って
尻餅。降り立った本滝寺で見ると、ヌスビトハギの実が半ズボンに一杯でした。

 刈り取られた田圃に干された稲束。栗や柿の即席販売所もあちこちに。ぎんなんも落ち
ていました。秋の中でも一番良い季節がやって来たようです。



【タイムチャート】
12:35自宅発
13:40〜13:50本滝寺駐車場(Ca410m)
13:57旅館まるや
14:25妙見門前街
14:30〜14:35妙見山山頂(660.1m 四等三角点)
14:40〜15:30信徒施設「星嶺」、展望台他
16:05本滝寺
16:15本滝寺駐車場



妙見山のデータ
汗だくの妙見山』をご覧下さい
【参考】2.5万図『妙見山』



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