今年も土筆で春の味〜深山

平成13年 4月 7日(土) 
天候: 晴れ
同行: かみさん、三女朋加 
袋いっぱいの土筆にご満悦
 

 先週、法事で母親の故郷を久方ぶりに訪れた時、野辺にふと見つけた土筆。もうとっく
にとうが立っている。今年は春が一気に押し寄せた感じで、ウロウロしている内に機会を
失いかけたようで、「もう今年は土筆味わえないかもなぁ」と諦めかけていた春の味。だ
が待てよ。深山があるよねぇ。幾ら下界が急に暖かくなったとはいえ、何せ標高700m
はある高原だ。そういえば去年も今頃だったような。まだ間に合うかもと、ぽかぽか陽気
の土曜の昼下がり、かみさんらを乗せて車を走らせた。

 能勢方面を訪れる際は、いつも使わせてもらう川西篠山線のバイパス。清和台付近はも
う散り初めに近い桜。フロントガラスに花びらが舞っている。石道付近の山の南斜面には
気の早いコバノミツバツツジの赤紫。初夏を思わせる陽気に花々も気が急いているのだろ
うか。

 R173に出て北上すると山々に白い斑点が現れる。始めは露岩に陽射しがあたってい
るのでは?と思ったが、目を凝らすと、ややピンクがかったヤマザクラらしい花に混じっ
て白いタムシバの花である。これ程多くのタムシバがあったのかと思われるほど、あちら
こちらに咲いている。そんな光景に目を奪われながら、はらがたわのトンネルを潜って右
折、深山方面に向かう。流石にここまで来ると未だ木々の芽は膨らんだ程度だ。

 さて、目的地である。去年も摘んだ場所近くに車を止めて土筆を探す。
「んっ?無いなぁ。」
もう遅いのだろうか?なかなか見つからない。と、日当たりの枯れ草の中に見慣れた茶褐
色の帽子が...。
「あったでぇ!」
一つ見つかるとあちこちと、堰を切ったように見つかるものだ。しかも沢山の鹿の糞と共
に。(^^);  逆に少し来るのが早過ぎた感じで、顔を出したての土筆が多い。盛りは数日
後と見受けられ、そんなに慌てることも無かったようだ。でも次週の休みじゃもう遅いだ
ろうなぁ。やっぱり今日が正解だろう。

 3人で1時間も摘んだだろうか。おかげでスーパーの袋一杯に採れた。出遅れたフキノ
トウもあったので、あのほろ苦さも味わうべく、ついでに少しお裾分けいただく。

フキノトウのすぐそばには鹿の糞が...

 持参の飲み物やパンで一休みの後、牧場の牛を見物に行く。良く慣れたもので人間が近
づくと寄ってくる。その牛たちに草をやっている時である。と、目の端を黒い物が通り抜
けたような感じを受けた。そちらを見ると、「ダチョウランド」と書かれた手書きの看板。
そして建物の蔭からおもむろに羽を広げた大きな鳥が現れた。なんと2頭のダチョウであ
る。こんな所に飼育されているとは思わなかった。こんな間近で見るのは初めてだが、意
外に大きな目をしている。それも半分飛びだした感じだ。これなら四方八方、見通すこと
が出来そう。羽を広げた格好は威嚇のポーズかな?しかし、頭のまばらな毛と云い、扁平
な嘴と云い、しげしげと眺めれば眺めるほど変な鳥であった。

岡牧場で飼育されているダチョウの顔、
結構つぶらな瞳でした

 時間があったので、帰路、能勢の郷の簡易保険センター近くの喫茶「気遊」に寄る。無
農薬コーヒーとストロベリーバニラのハーブティーを屋外で頂く。行者山の岩や行者堂が
遠望できる。剣尾山に連なる山腹には点々とタムシバの花。下に見える農家の庭先には桃
の花。長閑な春を満喫する一時であった。

 明日の酒の肴を期待して、夜なべの仕事は土筆の袴取り。今年も指先が茶色に染まりま
した。

【タイムチャート】
  計測していません



深山のデータ
 
    「深山」、「春未だ浅き深山点描」等の山行記を参照下さい



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