貴公子花紀行〜ササユリ揺れる奧箕面

平成13年 6月17日(日)
天候: 晴れ
同行: 単独
今年も会えたササユリの花


 梅雨の晴れ間だろうか週末はいい天気。だが先々週、先週と遠出が続き、気分は一寸中
休み。しかも日曜は父の日で、午前中は幼稚園の父親参観日。

 そこで昼から、この時期恒例、ササユリの花を訪ねて奥箕面。

 政の茶屋園地の駐車場はこの時期は満車だろうと、勝尾寺園地に廻る。こちらは駐車場
も広くてグッド。今日はここを起点に、自然研究路2号から東海自然歩道に出、最勝ヶ峰
→政の茶屋→天上ヶ岳→政の茶屋→勝尾寺と巡るコース。園地の芝生の向かいから研究路
の山道に入る。

 杉桧の植林と常緑の雑木で薄暗い。独特の匂いはドクダミの花のようだ。しかも小さな
谷沿いなのでやや湿っている。何か細長い物が今にも出てきそうな雰囲気がある。篠竹が
覆い被さるが、道は自然研究路だけに良く整備されている。以前はもっとヤブだったよう
な..。

 すぐに谷の源頭。左に曲がって植林の中の道となり、更にしっかりした遊歩道となる。
山腹にジグザグに切られた道を上がればすぐに分岐。左は丸木の階段。右は水平道。どう
せ同じ道に出るだろうと右の水平道を採るが、今日は誰も通っていないのかクモの巣が張
っているし、暫く行っても合流しないので、適当なところで引き返した。

 階段道を上がってみると、団体さんが小休止の最中。「少し休んで行きなはれ」の言葉
に誘われお話を聞くと、泉原までバスを仕立てて来られたとのこと。ついでに飴まで頂き
ました。

 勝尾寺の二階堂へ降りる山道を左に見て、ミツバツツジの小径を行くと、すぐに小さな
露岩が集まった展望地。南方向、万博公園などがよく見える。でもタバコの吸い殻などが
見受けられるのは頂けない。

 開成皇子陵の横の桟道を渡れば最勝ヶ峰。小さなプレートがあるが頂上という雰囲気は
ない。

 チャートと呼ばれる水成岩の露岩のある付近を過ぎた辺りが、以前、ササユリが多く見
られた所。しかし、無い。盗掘されたのかなぁ?目を凝らすが姿も見つけられない。少々
落胆。

 気を取り直して坂を下り、次のポイント。何かを感じて、ふと左手。「おっ!あった!」
高さ60cmの草丈の上に見事な一輪。淡いピンクが道端の野草に混じって浮き出ていた。
先に何人かが写真に納めたらしく、周囲の野草の葉が踏み敷かれていたが、手折られなか
ったのは幸い。しかしいつまで持つか不安があるなぁ。

淡いピンクが風に揺れて匂い立つ様に咲き誇るササユリの花

 探してみると小さいがあちらこちらにササユリの特徴ある姿。堅い蕾のものもチラホラ。
健在だったのは嬉しい限りである。

 更に、西。道が左に曲がる手前にもポイントがあるが、ここは小さいのが7,8本認め
られたが蕾は無かった。

 車道に懸かるぎふちょう橋を渡ると、東海自然歩道の西の起点の石標が立つ中間点の政
の茶屋園地。トイレ横に天上ヶ岳の案内プレートが懸かる。

 桧の下にマムシグサを見て、箕面ダムへの分岐を過ごすと、再び登り。が、一気の登り
ではなく、登りと平坦が交互に繰り返す。尾根道になっても杉桧の植林帯の中でしばらく
展望は無いが、こちらはグンと歩く人数は減るので静かなのがいい。

 右に北摂霊園から鉢伏山への山並みが見え始める。前方に伐採地と堂屋敷のこんもりと
したピーク。

 どこからか法螺貝を吹き鳴らす音。どうも天上ヶ岳からの様子。さもあらん。天上ヶ岳
は大宝年間の701年、役行者が聖天した所と伝えられている場所。誰が吹いているのか
確かめるべく、天上ヶ岳の分岐を曲がると、法螺貝を手にして帽子を被った眼鏡の小父さ
んが向こうから。話を聞くタイミングを逸してしまった。残念。

 天上ヶ岳は麓の竜安寺の管理地で、雑木が刈られて整備され、新しい注連縄もかけられ
ている。等身大に近い役行者像と天保年間に建てられた梵字の石柱がある。

 ここからは猟師谷を隔ててドライブウェイや大阪市街が望める。ウグイス、ホトトギス
の声も遠く近く。ギャッという獣の声はサルだろうか?

 天上ヶ岳の分岐に戻り、鹿の糞があちこちに転がっているCa520mの伐採尾根を端ま
で行ってみる。ここから西北に眺められる堂屋敷は意外に堂々としている。その肩には高
代寺山。北東は北摂霊園から石堂ヶ岡の稜線となかなか緑深い山並みが見通せる。
 道側のベンチに座ってサンドイッチ。鳥の声以外は聞こえない静寂である。

天上ヶ岳北の伐採尾根から見るこんもりとした『堂屋敷』

 さて、ここもササユリのポイント。数えただけでも10本程度見つかったが、未だ早く
蕾が2,3ある位で幼苗が多い。但し、誰の仕業か上部を千切った形跡のあるササユリも
ある。腹が立つなぁ。(-_-メ

 水分補給で一息ついて、元来た道を戻る。政の茶屋からは自然研究路4号。モリアオガ
エルの卵塊を見に行く。

 去年と同様、今年も3個、水溜の上に被さったアオキの枝に産み付けられていた。まず
は目出度し。(^_^)/

 勝尾寺の奥の院への踏み跡を左に見て降っていくと、クマザサが現れ、薬師堂の横に出
る。修理の終わった本堂前から階段。良く整備された境内は何時来ても清々しい。石楠花
の季節が過ぎ、ピンクや青い紫陽花が今は盛り。多宝塔の辺りは特に美しい。ゆるゆると
石段を降り、茶店でくず切り餅を買い求めて帰途につく。

勝尾寺の境内を彩るアジサイ

 やや季節が早かったのか、減っているのか、見かけた花は一輪のみ。蕾が幾つかあった
が、これから先もいつまで楽しめるのか、やや不安も残るササユリ探訪である。


「ササユリが減少しています。決して盗掘或いは花を手折ったりしないで、みんな
 で愉しみましょう」



【タイムチャート】
12:30自宅発
13:00〜13:05勝尾寺園地駐車場
13:40東海自然歩道出合
13:50最勝ヶ峰(Ca540m)
14:28〜14:30政ノ茶屋園地
15:00〜15:07天上ヶ岳(Ca520m)
15:10〜15:30Ca520mピークの展望地
16:00政ノ茶屋園地
16:25自然研究路4号分岐
16:42勝尾寺
17:05勝尾寺園地駐車場



箕面山系のデータ
箕面山系、箕面国定公園及び勝尾寺園地については、
「ニホンリスに遭遇、箕面ぶらり散歩」
「箕面最勝が峰」
「奧箕面探勝〜最勝尾根から天上ケ岳」
「箕面ぶらり散歩PART2〜勝尾寺園地」等をご覧
下さい。



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