整備が進む冬枯れの知明山

 平成13年 1月13日(土)
 天候:晴れたり曇ったり
 同行:単独
一庫ダムから眺める知明湖、さくら橋と知明山
 

 今冬一番の寒波がやってきた。凍結などが気になって遠出は寒いのと相まって一寸億劫。
でも冬冷えだが高い青空だし、このまま燻っているのも面白くないし。そこでGPSの威
力チェックも兼ねて、近場の低山でも歩いて見ようかというわけで、川西の里山、知明山
に出かけてみる。

 知明山は兵庫県立一庫公園の「山のゾーン」のメインエリアに位置づけられているが、
整備が遅れており、二年ほど前に行った時には、未だヤブっぽかった事を覚えている。家
族で来園したついでに、カミさんに子供の相手をさせている間に、フラッと探索しただけ
なものだから、何も持たず、9月の暑さと蜘蛛の巣に耐えながらで、三角点も未発見のま
まであった。今回はそれをGPSを利用して(そんな大層なものでもないが)探そうとい
うもの。国土地理院の点の記を利用して位置データを入力し、昼からゆっくりと出発であ
る。

 冷たい風が通り抜ける知明湖畔の駐車場には車もなくガランとしている。公園の管理員
の小父さんが雑木の整理をしているだけ。襟元を寄せて、そそくさと谷筋に整備された階
段を上って行く。ここでGPSの表示:頂上まで874m。

 階段を上りきると管理事務所がある。「せせらぎ広場」と「芝生広場」は、シーズン中
はかなりの人出なのだが、冬枯れの今はやはり閑散としている。それでも周回道路ではジ
ョギングする人がチラホラ。

 管理事務所の側でウサギが飼われている。人間の姿を見ると寄ってくる。なかなか人懐
こい。

 目指す知明山へ向かって北へ歩いていくと、山のゾーンの高台の広場に重機が入ってい
る。山のゾーンの整備が始まったようだ。工事の立て看板を見ると、春の行楽期に間に合
わせるつもりなのか、今年の3月25日迄が工事期間とあった。

 山の入口に立入禁止のロープが張られているが、見なかった事にして入らせてもらって
驚いた。以前来た時とは様変わりしているではないか。えぐれた感じの踏み跡は同じだが、
周囲が伐採され広げられていて、ヤブっぽさはほとんどない。工事用なのだろう、ミカン
山等によくある簡易モノレールの軌道もある。しかしそれを除けば雑木の林はそのままで、
なかなかいい雰囲気である。願わくばこれ以上伐採などしないでおいて欲しいものだ。

雰囲気のよい知明山南尾根の登山道と雑木林

 所々には、真新しい丸太の階段。板のベンチ、丸太の切り株のベンチが設えてある。途
中に現れた展望台は西南方向が開け、川西市の焼却場の建物が無粋ではあるが、日生ニュ
ータウンの街並みや雨森山、遠く大船山などが見渡せる。

 GPSの数字が刻々と減少する。緩い登りを進み、尾根がやや細くなってくると、まも
なく切り開きに出て、東屋にでもするのか屋根状の板が置かれた場所にでる。地面には飛
び石状に石が敷かれている。その向こうにはフェンスが現れた。北に高みはなく、ここが
頂上だと思われる場所に三角点が見つからない。GPSを持ってウロウロしていると、敷
石の間、フェンスの近くの枯れた大きな赤松の横にチョコッと顔を覗かせているのを発見。
GPSの誤差は今回は12mであった。

 ところで、そのウロウロしている時に意外なものを発見した。工事で引き抜かれたのか
赤いテープが捲かれた細い雑枯れ木が倒れていて、それには「MPS 知明山山頂。廃坑
跡まで1分」と書かれている。確かに頂上横に明らかに人為的に掘られた半分埋まった穴
ボコがあって、更に探すと、頂上を北に降ったフェンス横にさっきの穴よりも明瞭な穴が
見つかった。
知明山山頂付近の廃坑跡

 何を掘った穴なのだろうか。丁度、頂上直下で工事をしていた作業員の人がいたから尋
ねたが、分からないとのことであった。(後日、矢野さんから銅山跡かもとの情報を頂き
ました。有り難うございました。)

 工事中でお邪魔かなとは思ったが、失礼して北方向へ行ってみた。少々降って再び平坦
になった道の左側はフェンスが続く。周囲はヤマザクラやネジキ、リョウブ、ソヨゴ、赤
松、モチツツジなどが茂る定型的な北摂の里山、特にコナラが多い。昔はさぞかし薪や炭
に利用され、マツタケも良く採れたに違いない。

 道は東に方向を変え、急降下となる。眼の前は知明湖の水面を隔てて高代寺山。所々工
事は終わっているが手すりは準備中。そしていよいよ傾斜が増したところで、工事の最前
線に出くわした。今度は本当に邪魔になりそうなので、それより進むのは諦めた。

 少し戻ると左に赤テープがあるのを発見。微かな踏み跡があるようなので足場が悪そう
だが、少し辿ってみると、案の定、落ち葉で足が滑ってズルッ、バッタリ。痛ッ!

 お陰でカメラで胸をうってしまった。未だに少し痛い。肋骨大丈夫かな?(^^);

 再び、頂上へ。フェンス沿いに少し切り開かれてあるので、辿って遊んだりしながら往
路の展望台(立入禁止の虎ロープありましたが御容赦)で小休止とした。西南方向を愛で
つつ、持参のサンドイッチを頬張る。眼下にR173を隔てて、雨森山から続く稜線の雑
木が意外に綺麗だ。一度冬の間に辿ってみても面白いかなと思う。

 駐車場へ戻るともう4時。冬の弱々しい陽は西に傾いている。今夜はますます冷えこむ
そうで、風が心なしか強くなったようだ。慌てて車に飛び込む。冬枯れの里山山歩でした。



【タイムチャート】
12:50自宅発
13:40〜13:50一庫公園駐車場(184m)
14:13〜14:33知明山山頂(349.1m 四等三角点)
14:45〜14:50東側の工事現場
15:00山頂
15:15〜15:21整備中の展望台
15:30〜15:50一庫公園
16:00一庫公園駐車場



知明山のデータ

   「残暑の一庫公園と知明山」を参照下さい



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